映画 「海に出た夏の旅」  ソ連映画  監督:セミョーン・アラノヴィッチ

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 1942年のソ連。夏の北極海に浮かぶ、無人島での話。

 徴兵適齢未満の少年たちを多数乗せて、古びた軍用輸送船が、この孤島へ向かっている。
 徴兵適齢未満とは言え、まだ童顔の子供も多くいるが、みな志願して集まった少年たちだ。彼らの任務は、海鳥の生息地となっている孤島に滞在し、無数にいる海鳥の卵を集め持ち帰ること。ソ連の銃後は食料不足であった。

 鳥の巣は、海に面して切り立った岩壁にある。腰にロープを巻いて崖を降りる。相棒の一人は崖の上でそのロープを支える危険な作業だ。
 この岩だらけの島には、まきにする木と飲み水がない。ボートを漕いで遠くの島へ調達に行く。その島には清流が流れ落ちる小さな滝があった。
 パンは輸送船で来る時に持ち込んだ。肉は少年たちが猟銃で撃ち落とした海鳥の肉。みなで調理する。テント生活である。少年たちの面倒をみるのは、優しい老兵の男。無線機は無い。

 ある日、ドイツ軍戦闘機1機が島に飛来し機銃掃射してきた。その直後、ソ連の戦闘機が現れ、空中戦の末、ドイツ軍戦闘機は墜落。その際、敵機搭乗員がパラシュートで、飲み水調達の島に降りたことは誰も気づかなかった。幸い、少年はみな無事であった。

 短い夏が終わろうとしていた。島では、パンが底をついた。海が荒れだし飲み水も蓄えが無くなっていた。飢えが始まろうとしていた。なぜ、パンの補給がないのか。少年を運んだあの輸送船はドイツ潜水艦によって撃沈されていたのだ。

2-0_20160524231117e98.jpg ある濃霧の日、ドイツ軍潜水艦が島付近に浮上し、少年たちの島に3人の兵士が上陸してきた。墜落した戦闘機搭乗員の捜索であった。ドイツ兵士は、少年ばかりがいることに驚いた。
 少年たちの世話役の男は、搭乗員の所在は知らないと言った。そして敵意をむき出しにする少年を制して、ここは夏休みのキャンプだと言ってその場を取り繕った。(父親が戦死した子たちは多かった)
 しかし、些細なことでドイツ兵の怒りを買い、少年たちの世話役は皆の前で射殺された。

 その頃、濃霧のなか、水を補給しようと島へ渡った年長の少年たちは、上陸後、墜落したドイツ兵と遭遇した。銃撃戦になったのち、ドイツ兵は少年たちに捕まった。その場で射殺しようとしたが、ひとりの少年が止めに入った。結局、兵士の両手を縛って、舟は島を離れた。
 島から帰って来て、年長の少年たちは世話役の死を知った。射殺を止めた少年は、ひとり猟銃を持って水の島へ引き返した。そして、ドイツ兵を見つけ出し、銃を構えるのであった。(終)
 その後、少年たちはソ連の軍艦によって無事救出された。


 映画冒頭で、少年を島へ運んだソ連の輸送船は少年たちを降ろすと、すぐさま別の海域へ向かった。その任務はドイツ潜水艦に撃沈され、漂流する連合国軍の輸送船団搭乗員の救出であった。
 1941年、ドイツは独ソ不可侵条約を破り、ソ連に侵攻を開始した。これに対し、ソ連を支援する連合国軍(アメリカ、イギリス)はソ連への物資や兵器の援助を始めた。
 この映画は、連合国軍の輸送船団を巡り、北極海で行われたドイツ軍との戦闘・「北極海の戦い」の最中の話のようだ。



オリジナル・タイトル: Летняя поездка к морю
英語タイトル:SUMMER TRIP TO THE SEA
監督:セミョーン・アラノヴィッチ|ソ連|1980年(1978年?)|88分|

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