映画「贅沢な骨」  主演:麻生久美子、つぐみ  監督:行定勲

上
サキコとミヤコ。 マンションの屋上にて

 ふたりの女と一人の男とのラブストーリー。
 ミヤコ(麻生久美子)は、サキコ(つぐみ)という年下の女と一緒に住んでいる。サキコは無職でミヤコに養われている。

1-0_20160613164700194.jpg ミヤコはホテトル嬢だ。不感症だからこの商売をやっていけるとサキコに言っている。
 実は、ミヤコの心は空洞らしい。だから、安心を求めて誰かと繋がっていたい。それで、サキコと一緒にいる。それで、たくさんの男たちと繋がっていたいため、ホテトル嬢をしている。ミヤコはそう思っている。

 ある日、ミヤコはアキヲ(永瀬正敏)という客と出会う。会った時から、ミヤコとアキヲは気が合った。ホテルのベッドで、アキヲを相手にミヤコは生まれて初めてイッタ。
 そののち、ミヤコの方から商売抜きでアキヲを誘った。そのうち、ミヤコはサキコも連れて三人で遊ぶようになる。
 サキコの入院中に、ミヤコは自分のマンションにアキヲを引き入れた。サキコは事態を察して、このマンションを出て身を引くと言う。

2-0_20160613164935d9a.jpg だが、アキヲがサキコに関心を持つようになる。そして、ミヤコはふたりの関係を目撃してしまう。女ふたりの間に気まずい空気が漂い始める。今度はミヤコがふたりの邪魔をしないようにと、部屋を空けることが多くなった。
 しかし結局、サキコはアキヲを受け入れなかった。アキヲはふたりから遠ざかる。

 ミヤコは、やはりサキコとふたりでいる時が一番だと思う。サキコもそう思った。
 そんな矢先、ミヤコが死んでしまう。

 映画冒頭に、ミヤコはサキコに、喉の奥に鰻の骨が刺さって取れないでいると言う。「それは贅沢な悩みだよね」 とサキコはミヤコに返していた。だが、これは咽頭がんの症状だった。

 脚本がサキコの人物像を描けていないがために、サキコが入院することになったビル屋上からの衝動的な飛び降り行為や、アキヲを受け入れなかった理由が、ぼんやりしてしまっている。よって、ミヤコとサキコの、互いが互いを必要としていることが見えてこない。
 この映画、お薦めじゃないですが、先日記事にしたフランス映画 「ママと娼婦」 を観ていて、「贅沢な骨」での三角関係を思い出したので、ここに書いてみました。「ママと娼婦」の記事は、こちらから
 


監督:行定勲|2001年|105分|
脚本:行定勲 、 益子昌一|撮影:福本淳|
出演:ミヤコ - 麻生久美子|サキコ - つぐみ|新谷アキヲ - 永瀬正敏|素子 - 渡辺真起子:サキコの継母・・・縫いぐるみをサキコに渡す女|医師 - 光石研:ミヤコを診察する医師|眼鏡の客 - 田中哲司:ミヤコの客・・・鉄チャンか|花火のカップル - 津田寛治、小林美貴|危険な情事番頭 - 森下能幸:ミヤコが働くホテトルの男|病院の廊下でバレエを踊る少女 - 高木まり子|看護婦 - 山本麻里|クラブの女 - 川村カオリ:ミヤコを誘惑するレズビアン|クラブのDJ - 朝本浩文|

行定勲 監督の映画
 
写真
きょうのできごと
写真
贅沢な骨
写真
OPEN HOUSE
写真
ロックンロールミシン


【 一夜一話の歩き方 】
下記、クリックしてお読みください。

写真
写真
写真
写真
写真
こちらからも、どうぞ!
邦画の題名リスト    ◆洋画の題名リスト

邦画の監督名リストから記事を探す

洋画の国別リストから記事を探す

一話 (京都、旅行、美味など)

書評   美術

クラシック音楽    ポピュラー音楽    
関連記事
やまなか
Posted byやまなか

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply