映画 「ハッピー・クリスマス」   2014年アメリカ映画  監督:ジョー・スワンバーグ

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夫ジェフ、その妹ジェニー、そして妻のケリー

ケリー
1‐0‐0 子育てに多忙な主婦ケリーと、家に転がり込んで来た傷心状態ヤケッパチな義妹ジェニーとの葛藤、そして親しくなって行くお話。
 話は総じて、取り立てて言うほどもないストーリーなのですが、映画は実に率直で普段着の日常をリアルに描く。出演俳優はいわゆるお芝居をしない。
 アメリカ発の新しい映画表現をお楽しみ下さい。

2‐0 ジェフとケリーの夫婦には、2歳の可愛いい赤ちゃんがいる。
 ジェフは映画監督で、一家は安定した いい生活を送っている。
 妻のケリーはそれまで小説を書いていたが、出産を境に、とにかく育児に追われる日々。
 小説を書く時間は無くなったが、我が子が育って行くことに、この上も無く幸せを感じている。そうケリーは思っている。
 ジェフも子供の世話をしてくれる。家を空けるときは、臨時で子守りしてくれる人もいる。
 だけど近ごろ、育児が忙しいからだろうか、ケリーはイライラしている。

 そんな折、アドベントカレンダーを今年も壁に掛けたころに、夫ジェフの妹ジェニーが転がり込んできた。彼と別れて傷心状態らしい。この先しばらくは、この家にイソウロウ(同居)することなっている。
 このことはジェフから事前に聞いてはいたものの、ジェニーとはそう親しく話したこともない間柄だし、育児に追われる中、ケリーは負担を感じない訳は無かった。

 夫妻の家に転がり込んだ翌夜、ジェニーはあるパーティに出かけた。そこでジェニーは酔いつぶれてしまう。真夜中に連絡を受けた兄ジェフは、ジェニーを連れ戻したが翌朝、彼女は二日酔いで起きてこない。
 この時、ケリーが感じる負担は、ジェニーに対する不信に変わった。ケリーは、ジェニーに今朝から子守りをお願いしていたのだ。ケリーは夫にさんざん不満を言う。

 今年のクリスマスは、夫婦の間ではクリスマスプレゼントの交換はしないと言い交わしていたが、ケリーは小説を書く時間と場所が欲しいと言い出した。ジェフは映画製作で使っていた空き部屋を彼女に提供することになる。
 やがて、この部屋にジェニーとジェニーの友人カーソンが出入りするようになり、ケリーが書くべき小説のテーマについて、女三人が話し合うようになる。(このシーンが見所のひとつ。観てのお楽しみ) 
 話は弾み、ケリーとジェニーのわだかまりは、解けていく。そして、夫に対するケリーの愚痴も出るようになる。

  あまり表面には出て来ないが、知的で上位階層のケリーと、そうでないジェニーやカーソンとの対比もさらりと描いている。
 ジェフ家の臨時の子守りでジェニーの彼になった男からもらったマリファナをジェニーが家に持ち込む。これを兄のジェフが咎めながらも、自分もたどたどしく吸うシーンが可笑しい。ちなみにジェフ役は、本作の監督。

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 会話がセリフ的でなく、どれだけ自然で日常的なのか、私は英語が分からないので分からないが、演技演出撮影は自然でリアルで新鮮さを感じます。ここんところを観てください。

 ちなみに、俳優・柄本明があるところで言っていたが、「台本を渡されて、いつも思うのは、こんなセリフ、普通じゃ言わないよね、不自然だよ。」


オリジナル・タイトル:Happy Christmas
監督・脚本・出演:ジョー・スワンバーグ|アメリカ|2014年|82分|
撮影:ベン・リチャードソン
出演:ジェフ(ジョー・スワンバーグ監督)|その妹ジェニー(アナ・ケンドリック)|ジェフの妻ケリー(メラニー・リンスキー)|カーソン(レナ・ダナム)|ノイズミュージックのミュージシャンで、ジェフ家の臨時ベビーシッターで、ジェニーの彼氏になる男。赤ちゃんは彼が好き!(マーク・ウェバー)|赤ちゃん(監督のお子さんらしい)|


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ジョー・スワンバーグ監督の映画 -2 (2)


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