映画 「フランシス・ハ」   監督:ノア・バームバック

キャプチャ333


 この映画は、ニューヨークならではの芸術文化と、最先端のビジネスとが交差する、ロウアー・マンハッタン(Lower Manhattan)やブルックリンを背景にしたお話です。

1‐0

 27歳のフランシスと同い年のソフィーは大学の時からの付き合いで大親友、傍から見るとレズのカップルに間違われるくらい仲がいいし、気が合うらしい。
 ふたりはブルックリンで長らくルームシェアしている。いつも、おしゃべりし子供のようにじゃれ合っている。

 フランシスは、ニューヨークで活動するモダンダンスのプロのカンパニーに所属しているが、未だ正式団員になれない実習生。定職はない。
 彼女の周りの人は、アート系の職を志望する(つまりまだまだ売れない)人間が多いようだ。フランシスには、そんな男友達は多いが、彼氏となるといない。
 とは言え、好きな男がいて一緒に住もうとも言われたが、フランシスはソフィーとの共同生活の方を引き続き選んでしまった。彼女にとって悲しい出来事だったが、裏返せば、まあ、そんな程度の愛だったのかもしれない。

 ソフィーはフランシスとは違って、モダンダンス・カンパニーの正式団員で出版社に勤めているようだ。ソフィーはフランシスとじゃれ合いながらも、要領がよくクールで世渡り上手な面があった。
2‐0 フランシスはその日、ソフィーから言われた。憧れのトライベッカ(ロウアー・マンハッタンにある地区)にいい部屋が見つかった、女友達のリサとシェアすることにした、というのだ。
 フランシスは不意を突かれた格好。
 「あなたが嫌なら止めてもいいけど。」 でもソフィーには既に引っ越しの段取りが出来ていて、フランシスは嫌と言えなかった。

 ソフィーとシェアしていた部屋の家賃は、フランシスひとりじゃ高すぎる。とりあえずは、知り合いの男の子二人がいる部屋に転がり込んで、3人でシェアすることにした。


 やがて、ソフィーにパッチという彼氏が出来た。グローバル企業に勤めるエリート社員らしい。そして婚約。その上、パッチの日本駐在が決まりソフィーは東京へ。
 慌ただしい展開に、何やら置いてきぼりになったフランシスは、サクラメントの実家に行ったり、パリへ旅行したりして、つまり狼狽えている。私の未来は? 私ってどうしたらいい?

 ある日フランシスは、ダンスカンパニーを主催する女性ダンサーから、「あなたはダンサーじゃカンパニーには残れない。振付指導に才能があると思えるし、その才能の芽を育てるためにも、カンパニーの事務職をして生活を安定させれば。どう?」という提案を受けた。
 だが、フランシスはなんとかしてダンサーで身を立てたい。この話を断わった。


3-0 さりとて、フランシスにいい当てがあるわけじゃない。結局、マンハッタンを離れて、郊外(ニューヨーク州ポキプシー)にある母校の学生寮管理人となった。自然に囲まれたこの地で悶々とした日々が過ぎる。
 そんな折、学内に著名人を呼んでの大学主催パーティーがあった。そこへ、なんと!ソフィーとパッチが客として現れた。だが、ソフィーの様子が変、酔っぱらっていて周囲に絡んでいる。
 ソフィーと二人きりの場で聞いた話は、「パッチとの関係が最悪、東京は嫌い!」そして驚いた、「パッチとは本当の婚約じゃないの。」

 フランシスもソフィーもニューヨークに戻った。仕切り直しをしたフランシスは、自分の人生と向き合い、ダンスカンパニー主催者が言ってくれた提案を受けることにした。
 フランシスは楽しそうに事務をし、振付師として公演ステージの下にいる。新たな一歩を歩み始めたようだ。

 フランシスはおっとりしていて天然っぽい。気取ったニューヨークのビジネスエリート達とはソリが合わない様子。しかし、まあ、単に、幼いとも言える。仲間うちでの関係でも、ドジをしたり。店でカードが使えなくて、フランシスが慌ててATMへ走るシーンなんかは、親近感湧きません? この映画、そういう笑えるシーンがあります。フランシス役の女優で、監督と一緒に脚本に加わったグレタ・ガーウィグが生きいきしています。
 一方、ソフィーという女性は、観ていて、ニューヨークのビジネスエリートが住む世界と、売れない芸術家たちの世界との中間領域にいて、両方が分かるという女性に感じます。ニューヨークに戻ってからも、そんな二人は、大の仲良しっていう話でした。

題名の「フランシス・ハ」 の謎は、
郵便受けのネームプレート(紙)の右端が、はみ出してしまうので、
Halladay の lladay の部分を裏側に折りたたんでしまったってワケ。

下2








オリジナル・タイトル:Frances Ha
(本当は、Frances Halladay
監督:ノア・バームバック|アメリカ|2012年|86分|
脚本:ノア・バームバック、グレタ・ガーウィグ|撮影:サム・レビ|
出演:フランシス(グレタ・ガーウィグ)|ソフィー(ミッキー・サムナー)|レフ(アダム・ドライバー)|ベンジー(マイケル・ゼゲン)|パッチ(パトリック・ヒューシンガー)|ダン(マイケル・エスパー)|コリーン(シャーロット・ダンボワーズ)|レイチェル(グレイス・ガマー)|ほか
下










ノア・バームバック監督の映画
写真
フランシス・ハ
写真
マーゴット・ウェディング
写真
マリッジ・ストーリー


気に入ってる、最近の映画《まとめ》
そうなんです!本当にいい映画ってなかなか無いんです。
写真
写真
写真
写真


【 一夜一話の歩き方 】
下記、クリックしてお読みください。

写真
写真
写真
写真
写真
関連記事
やまなか
Posted byやまなか

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply