映画「トワイライト ささらさや」   主演:新垣結衣、大泉洋  監督:深川栄洋  

上
サヤとユウタロウの子、ユウスケ。
実は、このユウスケが主人公かも知れない。



 新垣結衣、大泉洋主演のビターな喜劇映画で、いいところもあるんですがね・・・、でも、あきまへん。

1‐0 下手くそな落語家・ユウタロウ(大泉洋)とサヤ(新垣結衣)は寄席で出会い、結婚。子供も出来て、これからという時にユウタロウは交通事故で他界。映画はここから始まる。

 ユウタロウの葬儀のさなかに突然、見知らぬ年配の男が現れ、サヤに詰め寄ってユウタロウの父だと名乗り、孫のユウスケを渡してほしいと迫った。
 一方、ユウタロウ、実は、サヤとユウスケが心配で成仏できないでいて、さっきから式場内の参列者の間をウロウロしていた。(もちろん誰にも見えない) さらに今、父親がサヤから、息子ユウスケを取りあげようとしている!

 この危機に直面し、ユウタロウの霊は、自分の師匠(小松政夫)の身体に乗り移り、師匠の声を借りてサヤに言う。「逃げろ!どこか遠くへ早く」 
 はじめ、何が起こったのか理解できないサヤは戸惑い、同時に父親の存在を隠していたユウタロウに怒りをぶつけ、しかしともあれ、迫る父親からサヤは子供を抱いて逃げた。

 サヤは不幸な女であった。両親を早くに亡くし親を知らない。祖母に育てられたが既に他界し、唯一の肉親、叔母も最近亡くなった。だが、ユウタロウに出会えて幸せになった。そしてその矢先の不幸であった。

 サヤは今、その叔母の家へと向かっている。「ささら」という小さな田舎町にある。
 突然のよそ者に、「ささら」の町は好奇心をそそられ、同時にユウスケの愛らしさに誘われて、近所のおばあちゃん達がサヤのもとに寄って来て、何かと面倒をみてくれる。お夏(富司純子)、久代(波乃久里子)、珠子(藤田弓子)の3人だ。
 さらには、サヤはエリカ(福島リラ)と知り合いになり、また駅員の佐野(中村蒼)はサヤに一目惚れ。そして、ユウタロウの霊も彼らに加わる。
 
 つまりユウタロウの霊は、この町で最初にお夏(富司純子)に乗り移り、次にエリカの一人息子4歳位のダイヤに、そして駅員の佐野に乗り移り、サヤに対面する。(これらの乗り移ってのシーンは、なかなかの出来です。特に富司純子とダイヤ役の子役。)
 そして対面できたサヤとユウタロウのふたりは、互いに心を打ち明け、喜び怒り懐かしみ悲しむのであった。
  
 さてついに、おばあちゃん達3人とエリカらが、サヤを見守る中、ユウタロウの父親が「ささら」の町に現れ、サヤの家に来た。
 ここから先は、(少しだけ言うと、ユウタロウは、なんと、ユウスケに乗り移ったのであったが・・・・) 観てのお楽しみと言いたいところだが、残念。

 総じて、ビターな喜劇映画でいいんですが、イマイチの出来です。赤ん坊のユウスケの可愛さに助けられた映画です。
 最悪なのは、映画のラストに付け加えた、あの長ったらしい劇場での(説明)シーンは、まったくもって興ざめで頂けない。このシーンは監督自身の作風じゃない。他からの意図なのだろう。「神様のカルテ 2」もこうだった。こういうことは、「映画」をダメにしますよ。

 結婚し子供ができたが夫婦の片方が他界し霊となる、こういうあらすじでは、何と言っても、永作博美、佐々木蔵之介主演の 「夫婦フーフー日記」 が格段に良い。(お薦め)
 また、妻が他界し再婚するが先妻が霊となる、こういうあらすじでは、萩原健一、室井滋、山口智子主演の 「居酒屋ゆうれい」 が可笑しい。(それぞれの映画の記事は、題名をクリックしてお読みください。)


中監督:深川栄洋|2014年|114分|
原作:加納朋子|脚本:山室有紀子、深川栄洋|撮影:安田光|
出演:新垣結衣(サヤ)|大泉洋(ユウタロウ)|中村蒼(駅員の佐野)|福島リラ(スナックの女・エリカ)|富司純子(お夏)|波乃久里子(サヤの叔母の家に住んでいた久代)|藤田弓子(サヤの叔母の家の向かいに住む珠子)|小松政夫(師匠)|石橋凌(ユウタロウの父)|寺田心(エリカの一人息子・ダイヤ)|つるの剛士(久代の息子・義男)|ほか



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トワイライト ささらさや


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