京都に行って来た。 京都の湯と水の話 2016.9.8
2016年09月11日 公開
今年も、京都へ墓参りに行ってきた。
そのついでに行った、元京都の人間の京都観光です。
船岡温泉と船岡山
船岡温泉に行きました。
大正12年創業、文化庁の登録有形文化財に指定。
実は温泉と言っても銭湯です。(船岡温泉公式サイトはhttp://www.kyo1010.com/feature/funaoka/)
玄関を入ろうとしたら、いきなり外人のカップルが出てきました。なるほど、ここも観光スポットになっている。
浴室は銭湯にしてはなかなか広く、いろんな湯船があります。サウナもあって、430円は安い。
熱湯の湯船は、42度くらいか、私にはちょうどいい。
カップルのほかに外人2人がいましたが、様子を見ていると、勝手がわかっていて近所に住んでる人のよう。
それ以外の客は、みな近所のおっさんばかり。平日3時なので空いてました。(京都市北区紫野南舟岡町82−1)
ところで、この銭湯は船岡山のふもとにあります。
山と言っても低い丘。(標高111.7m)
ですが、この船岡山は平安京を作る時の、都市計画の基準点だったらしい。つまり平安京の中心の真北で、都の中心軸・朱雀大路はこの基準点をもって作られた。 (右の地図をクリックで拡大できます→)
朱雀大路(現在の千本通)をずっと南に下って行った先の、あの羅生門(羅城門)も、船岡山からの延長線上にあるわけ。
そんなところで、ゆっくり湯船に浸かっているのは、なんとも気分が良い。
(船岡山のwikipediaはこちらから。外部リンクです)
八坂神社と料亭・菊乃井
中心軸の話をもうひとつ。
墓参りを終えて、大谷本廟(清水寺に隣接)から東山沿いに北へぷらぷら歩いて、八坂神社へ。(656年創建)
八坂神社(祇園社)の正門は神社の南側にある。ここへ向かう道は一直線。神社の正面へ行く表参道で、中心軸。
今、この道を下河原通りと呼ぶが、中世では、これを百度大路(祇園大路)と言った。
お百度参りとは100回お参りするんじゃなくて、そもそもは、この百度大路を通ってお参りすることを言ったらしい。
(右の地図をクリックで拡大できます→)
この八坂神社南門の門前町は下河原町といい、昔、この地域一帯は下河原遊里と呼ばれた所。1770年代ごろには、水茶屋や楊弓(小弓で遊ぶ遊技場)があったらしい。さらには大昔、ここら一帯は、一面、河原地で東山の上から流れ出る2本の川が流れていた。(菊渓川と轟川で鴨川へ注ぐ)
暗渠になっている箇所は多いが今も、地図上で高台寺(1606年開山)周辺に、菊渓川らしきが確認できる。東山は水が多い所ですね。
で、やっと、料亭・菊乃井の話。
(大正元年(1912年)創業の京料理・懐石料理の料亭)
下川原に菊水(菊井ともいう)という井がある。はるか昔から茶に良いと言われ、菊渓川と水脈が通じていた。(改定・京都民族志 東洋文庫129)
この井戸が料亭・菊乃井の敷地内にある。元々ここは、その世界の大親分から買い取った土地屋敷らしい。料亭の裏は高台寺の石垣と接している。
かつて、何回か入ったことがある。高いですが、とても美味しいですよ。窓からの東山が美しい。古い金屏風が、薄暗い部屋にほのかな明かりになることも知った。
当時、若女将から教えてもらったこと。あるじがヨーロッパに呼ばれて料理するとき、一番困るのは水。軟水が無い。そこで代用にボルヴィック(Volvic)を使うという話。
東華菜館と祇園サンボア
歩き回って、喉が冷えたビールを欲しがりはじめたので、鴨川にかかる四条大橋を渡って橋詰にある東華菜館に寄った。
東華菜館は、大正15年創業の北京料理店で、建物は、あの洋館建て。
店の歴史は公式サイトhttp://www.tohkasaikan.com/information/history.html
春巻きが美味しい、といっても普通と違う。タケノコの千切りがいっぱい入っている。慣れると美味しい。京都の中華料理店ハマムラもこれと同じを出す。館内エレベータは、1924年米国で製造、輸入されたOTIS製で日本最古。
夜になって、恒例の従妹と呑み会。
大丸前で待ち合わせて、高倉通四条下ルあたりの和風モダンの店。ハモや久しくご無沙汰の土瓶蒸しが出たので嬉しや。
そして、去年、閉店時間が過ぎていて入れなかったバー・祇園サンボアへ行く。(東山区祇園町南側 570-186)
人通りが多い四条通~花見小路へと行くより、四条大橋の南にかかる どんぐり橋を渡って祇園へ入る。
サンボアの本店は寺町三条にある「京都サンボア」で1918年創業。アイラ島のアイリッシュ・ウィスキーが美味かった。
去年、祇園界隈は夜になっても観光客がギッシリだったが、今は平常でした。
京都タワー、そして新幹線に乗って
翌日、用事を済ませ、お昼は錦でうどん食って京都駅へ。
湯上りで新幹線に乗る、をやりたかった。
京都タワーの地下3階に大浴場がある。とはいっても、湯船はひとつ。ひとりだけ先客がいてガランとしている。
湯は熱めで、まことに結構。
毎月26日、風呂の日に、各種薬湯をしているようで、そのひとつが、アヒルの湯。
男女の湯あわせて2800個を湯に浮かべるらしい。これはいい! 入ってみたい。
番台のおばさん言うに、子どもより大人が喜ぶらしい。湯船のヘリに、アヒルを並べて楽しんでいる人もいるとか。
さて、ホームで吟醸かぐや姫を買って、湯上り・のぞみに乗る。
たぶん、名古屋手前あたりで熟睡。
吟醸かぐや姫の酒造メーカー山本本家は、延宝五年(1677年)に伏見七ツ井のひとつ、白菊井の湧く京都市伏見区上油掛町で創業。なるほど。
京都盆地は水が豊かです。
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船岡温泉と船岡山

大正12年創業、文化庁の登録有形文化財に指定。
実は温泉と言っても銭湯です。(船岡温泉公式サイトはhttp://www.kyo1010.com/feature/funaoka/)
玄関を入ろうとしたら、いきなり外人のカップルが出てきました。なるほど、ここも観光スポットになっている。
浴室は銭湯にしてはなかなか広く、いろんな湯船があります。サウナもあって、430円は安い。
熱湯の湯船は、42度くらいか、私にはちょうどいい。
カップルのほかに外人2人がいましたが、様子を見ていると、勝手がわかっていて近所に住んでる人のよう。
それ以外の客は、みな近所のおっさんばかり。平日3時なので空いてました。(京都市北区紫野南舟岡町82−1)
ところで、この銭湯は船岡山のふもとにあります。
山と言っても低い丘。(標高111.7m)

朱雀大路(現在の千本通)をずっと南に下って行った先の、あの羅生門(羅城門)も、船岡山からの延長線上にあるわけ。
そんなところで、ゆっくり湯船に浸かっているのは、なんとも気分が良い。
(船岡山のwikipediaはこちらから。外部リンクです)
八坂神社と料亭・菊乃井

墓参りを終えて、大谷本廟(清水寺に隣接)から東山沿いに北へぷらぷら歩いて、八坂神社へ。(656年創建)
八坂神社(祇園社)の正門は神社の南側にある。ここへ向かう道は一直線。神社の正面へ行く表参道で、中心軸。
今、この道を下河原通りと呼ぶが、中世では、これを百度大路(祇園大路)と言った。
お百度参りとは100回お参りするんじゃなくて、そもそもは、この百度大路を通ってお参りすることを言ったらしい。
(右の地図をクリックで拡大できます→)

暗渠になっている箇所は多いが今も、地図上で高台寺(1606年開山)周辺に、菊渓川らしきが確認できる。東山は水が多い所ですね。
で、やっと、料亭・菊乃井の話。
(大正元年(1912年)創業の京料理・懐石料理の料亭)
下川原に菊水(菊井ともいう)という井がある。はるか昔から茶に良いと言われ、菊渓川と水脈が通じていた。(改定・京都民族志 東洋文庫129)
この井戸が料亭・菊乃井の敷地内にある。元々ここは、その世界の大親分から買い取った土地屋敷らしい。料亭の裏は高台寺の石垣と接している。
かつて、何回か入ったことがある。高いですが、とても美味しいですよ。窓からの東山が美しい。古い金屏風が、薄暗い部屋にほのかな明かりになることも知った。
当時、若女将から教えてもらったこと。あるじがヨーロッパに呼ばれて料理するとき、一番困るのは水。軟水が無い。そこで代用にボルヴィック(Volvic)を使うという話。
東華菜館と祇園サンボア

東華菜館は、大正15年創業の北京料理店で、建物は、あの洋館建て。
店の歴史は公式サイトhttp://www.tohkasaikan.com/information/history.html
春巻きが美味しい、といっても普通と違う。タケノコの千切りがいっぱい入っている。慣れると美味しい。京都の中華料理店ハマムラもこれと同じを出す。館内エレベータは、1924年米国で製造、輸入されたOTIS製で日本最古。
夜になって、恒例の従妹と呑み会。
大丸前で待ち合わせて、高倉通四条下ルあたりの和風モダンの店。ハモや久しくご無沙汰の土瓶蒸しが出たので嬉しや。
そして、去年、閉店時間が過ぎていて入れなかったバー・祇園サンボアへ行く。(東山区祇園町南側 570-186)
人通りが多い四条通~花見小路へと行くより、四条大橋の南にかかる どんぐり橋を渡って祇園へ入る。
サンボアの本店は寺町三条にある「京都サンボア」で1918年創業。アイラ島のアイリッシュ・ウィスキーが美味かった。
去年、祇園界隈は夜になっても観光客がギッシリだったが、今は平常でした。
京都タワー、そして新幹線に乗って

湯上りで新幹線に乗る、をやりたかった。
京都タワーの地下3階に大浴場がある。とはいっても、湯船はひとつ。ひとりだけ先客がいてガランとしている。
湯は熱めで、まことに結構。
毎月26日、風呂の日に、各種薬湯をしているようで、そのひとつが、アヒルの湯。
男女の湯あわせて2800個を湯に浮かべるらしい。これはいい! 入ってみたい。
番台のおばさん言うに、子どもより大人が喜ぶらしい。湯船のヘリに、アヒルを並べて楽しんでいる人もいるとか。
さて、ホームで吟醸かぐや姫を買って、湯上り・のぞみに乗る。
たぶん、名古屋手前あたりで熟睡。
吟醸かぐや姫の酒造メーカー山本本家は、延宝五年(1677年)に伏見七ツ井のひとつ、白菊井の湧く京都市伏見区上油掛町で創業。なるほど。
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