佐野剛成写真展|武田充弘写真展|橋本聖一写真展  コニカミノルタプラザ

コニカミノルタプラザ 10/8~18

知らない人からカメラを向けられるのは嫌なものだ。撮る側はついつい気がひける。
肖像権、個人情報やらが追い討ちをかける。だから撮る側と撮られる側の間に一線
が引かれ、この線に留まるか、踏み込むかで出来上がるものに自ずと違いが出る。
どっちが良い悪いではない。
写真3G_0001
佐野剛成写真展|なぜなら風がその路上で停滞したゆえに

写真とタイトルが不思議な緊張をかもし出している右の作品にひかれて入場すると、展示作品の多くがもっと穏やかであることに気が付く。どこかの町の老人の後姿、地元の主婦同士の会話風景などなど。こういう服装の老人ならきっとあんな感じの人だろうとか、この主婦たちの会話はPTAのうわさ話かも、、、といろいろ想像できる。
面と向かって撮りますといった作品はない、被写体が気が付かぬ間に撮影する。展示作品群は撮る側と撮られる側の間の一線に留まっているタイプ。


武田充弘写真展|the rhythm of ganga

gangaとはガンジス川。右の写真は河口の砂浜にいるインド人。遠景の写真はこれだけで、多くの展示はガンジス上流の小さな村々、極彩色の民族衣装の人々に「一線」を越えてカメラを向けている。日本人という外人が(外人だから)現代グローバル文明から隔離されたような人々に近寄り恐れなく踏み込んで撮っている、現地の人々は肖像権など持ち出さず自然体だ。
よってエネルギッシュなインドを感じる作品に仕上がっている。


橋本聖一写真展|ヴェネツィア

ヴェネツィアのゴミ清掃人を主題にしたモノクローム作品群。日本人とい
う外人がヨーロッパに行けばこうなるのか。相手は現代都会人なので?
上記佐野氏のように「一線」に留まっている作品。
静かなヴェネツィア。気持ちが通じ合えた清掃人とバールで一杯なんて
写真はない。テイストは嫌いじゃない。


この写真展に行ったのち、BSジャパンで「写真家たちの日本紀行」を見た。
写真家土屋勝義が出演し自身が生まれ育った築地市場の中をどんど
ん撮影していく。被写体は、写真家の小学校の同級生だったり、実家近所
のおばさんおじさん達。見知った仲でカメラを向けても誰も終始笑顔。面と
向かって1メートル位の距離で広角レンズで撮影していた。

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コニカミノルタ・プラザの写真展記事

菊池和子 写真展|山雅子 写真展|川口和之 写真展 2011-02-21 こちらからどうぞ

奥 初起 写真展|池上洋平 写真展|米屋浩二 写真展 2011-02-13  こちらからどうぞ

谷本美加 写真展|藤井ヨシカツ写真展 2010-08-31 こちらからどうぞ

瀧浦秀雄 写真展|阪口智聡写真展|二石友希 写真展 2010-08-09  こちらからどうぞ


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