映画 「ブロンドの恋」   監督:ミロス・フォアマン

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 地味ですが、なかなかいい喜劇映画です。
 とは言え、ストーリーというほどのストーリーは無いですし、喜劇というほどの喜劇性もあまり無く、あっさりしたドラマです。
 でも、いいのです。映画全体からじんわりと、何とも言えぬ可笑しさが伝わってきます。監督の魔術でしょう。
1-0_201702282100569dc.jpg 中年兵士3人の、何ともモドカシイ、若い女性3人への「誘い」の駆け引きと、その女の子達のひとり、アンドゥラの恋の冒険という2話構成の話。アンドゥラは右のこの娘 。

 たくさんの人が集う広いダンスパーティ会場。ステージには楽団もいて華やか。 
 ただし会場にいる人々は、工場の女性従業員と軍隊の予備兵の、このふたつの団体だけ。
 実はこれ、軍の協力を得て、製靴工場が考え出した苦肉の作のダンスパーティーだったのです。

 田舎の小さな町にある、この製靴工場には2000人もの女性従業員が勤めている。多くは寮生活をしている。
 町は小さく店もなく、かつこの地に住む男性はほんの少し、だから女性従業員の日常は味気ない。
 工場側は、これでは従業員の元気も出ない、工場を辞めてプラハなどの都会へ行ってしまう、なんとかしなきゃと悩んでいた。

 そこで工場は軍と相談して、予備兵を一時この地に駐屯させて、町の男性人口を増やすことにしたわけ。
 予備兵は、おおかた中年で妻帯者、だから兵士と愛が芽生えて工場を辞めると言い出す女性従業員も少ないだろう。

2-0_20170228211056d5f.jpg さて、その夜、開催されたダンスパーティでは、多くの男女が楽しげに踊っている。工場側の作戦は大成功。
 しかし、女性従業員アンドゥラとその友人の3人は、3人とも、「中年男ばっかりジャン」と、むっつりしてテーブルにいた。

 一方、そこから離れたテーブルには、中年兵士3人が、アンドゥラ達に目星をつけている。(ここからのシーンが笑える面白い見どころ)
 兵士たちはまず、彼女たちのテーブルへワインのボトル1本をウェイターに届けさせ、そのあと、誰が彼女たちの所へ行き、突破口を開くかの相談をしている。そして、呑みが終われば近くの森へ誘おう。
 おじさん兵士3人は、基本、乗り気なのだが、ぎこちなく腰が引けていて話がまとまらない。帰ると言い出すのもいる。

 やっとひとりが彼女達の所へ行って話をつけ、おじさん達と女の子達との輪ができる。そして、パーティーが終わる頃、今度は女の子達が女子トイレへ行ってヒソヒソ相談。
 結局、おじさん達は待ちぼうけを食ったに終わる。彼女達は女子寮へ引き上げる。

3-0_2017022822010950a.jpg ただし、アンドゥラだけはホールの2階へ。(ここから第2話が始まる)
 3人そろってトイレへ相談しに行く途中、アンドゥラは楽団の若いピアノ弾きと出会ったのだ。彼女は、彼の誘いに乗って、彼が宿泊している部屋へ行く。
 数日経って、アンドゥラはスーツケースにいっぱい詰め込んで、ピアノ弾きが住むプラハへ旅立った。
 その夜、アンドゥラは彼の実家に到着したが、彼はいない。彼はプラハのどこかで、女の子とデート中。まさかアンドゥラが訪ねて来るとは彼はまったく予期していない。
 結局、アンドゥラは彼の両親に招かれ家に入るが、親はアンドゥラのことなど何も聞いていない。(ここからが第2の見どころ)
 この娘は何?、大きなカバンを抱えてと、彼女をいぶかる母親と、寛容的な態度の父親。そのうち、一人息子をめぐって親同士の言い争いになる。
 夜更け、口紅の跡を拭きながら彼が帰って来て、驚く。アンドゥラが自分のベッドに寝ている。そのベッドに潜り込もうとする彼を制するのは母親。こっちで寝なさいと、親子3人川の字になって朝となる。
 アンドゥラは寮へ帰り、相部屋の同僚たちに、プラハの恋の冒険を、創作交えてちょっと自慢げに話するのでした。
 

オリジナルタイトル:LASKY JEDNE PLAVOVLASKY
英語タイトル:THE LOVES OF A BLONDE
監督:ミロス・フォアマン|チェコスロヴァキア|1965年|88分|
脚本:ミロス・フォアマン、ヤロスラフ・パプーシェク、イヴァン・パッサー、ヴァツラフ・シャシェク|
撮影:ミロスラフ・オンドリチェク|
出演:アンドゥラ Andula(ハナ・ブレイショーヴァ)|Milda(ウラジミール・プショルト)|Vacovský(ウラジミール・メンシーク)|ほか

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