琵琶湖へ行ってきた。 近江八幡、安土
2017年06月14日 公開
京都へ行ったついでに、琵琶湖東岸の近江八幡へ行った。
水郷めぐり、秀吉の甥・豊臣秀次の八幡山城跡、近江商人の城下町、そして織田信長の安土城跡。

水郷めぐり
琵琶湖の内湖、西の湖を中心とした水郷
京都駅0番線ホームからJR琵琶湖線で30分ほど、まもなく近江八幡駅に到着。
さっそく、水郷めぐりの船着き場へ。
船頭が櫓(ろ)を漕ぐ手こぎの舟。売り文句は「日本一おそい乗物 手こぎの舟 水郷めぐり」
7人の客を乗せ、ゆらゆらと左右に揺られて舟は出た。
水郷の中は、江戸時代にでもタイムスリップしたかのように、本当に静か。
風が少し強い。舟は少々流される。
しきりに鳴くヨシキリの声と、ヨシ(葦、芦、アシ)の葉擦れの音、それだけしか聞こえない。原始の日本の風景を楽しめる。
あれが、織田信長がつくった安土城の跡(安土山)だという。意外に低い。
一時間で船着き場に戻った。
水郷は静かな内湖だ。エンジン船の水郷めぐりもあるが、スピードを楽しむなら琵琶湖か海の方がいいでしょう。
近江八幡の水郷とは:https://ja.wikipedia.org/wiki/近江八幡の水郷

八幡山城と城下町
秀吉の甥・豊臣秀次の八幡山城跡、近江商人の城下町
船着き場から民家の間の路地をたどって、千年の歴史ある日牟禮八幡宮へ。
それからロープウェイで一気に山頂へ。(標高283m)
城跡から見る琵琶湖と、対岸の比良山地の山並が雄大でとてもいい!スケールの大きな景色だ。
琵琶湖は古代湖だ。それは、河川からの土砂で埋まらずに、およそ10万年以上存続している湖。古代湖は世界中で20ヶ所ほどでしか確認されてないらしい。
下山し、次は城下町を歩く。城と城下町の防御であり運河と港でもあった八幡堀は、琵琶湖につながっている。
この町は、信長の死後、安土城の城下から町人を移住させて始まった。
そしてここは、近江商人の発祥の地でもある。町並み保存がなされていて、大きな町人屋敷が今もある。
ちなみに八幡山は新幹線から見えます。※下記
八幡山城とは:https://ja.wikipedia.org/wiki/八幡山城
日牟禮八幡宮とは:https://ja.wikipedia.org/wiki/日牟禮八幡宮

安土城跡
困ったもんだの安土城
JR近江八幡駅の隣りが安土駅。
駅から城跡までは徒歩30分。レンタサイクルもあるが歩きをすすめる。道は平坦。
駅から線路沿いに進み、そして集落を抜けて行くと、急に一面田んぼ、広々とした田園風景が眼前にひろがる。
その風景の中の農道を、前に見える安土山(標高199m)へ向かって歩くこと15分。
ヒバリがあちこちで鳴く。サギが田に降りている。吹く風が気持ち良い。誰もいない。「ぴーひょろひょろー」とトンビも鳴く。
突然、汽車の汽笛。JR琵琶湖線を蒸気機関車が電気機関車に牽引されて、広い田園風景をのんびり横切って行った。
現世のあれやこれやをちょっと忘れかけた頃、安土山の登り口に着く。
この城の工事は1576年に始まった。そんなことを思いながら大手道の石段を登る。登り始めてすぐ、右手に伝・前田利家邸跡そして今度は左に伝・秀吉邸跡、も少し登って伝・家康邸跡。
先に注意が必要だが、ここは山にある遺跡であって、整備された史跡公園ではない。
大手道の石段は、少し加工した程度の自然石を左右一列に並べ、段にしているだけ。段差は40センチはある。手すりは無い。大手道を過ぎて本丸目指す道は舗装されない山道だ。
頂上の天主跡を見て、少し下ると摠見寺跡に出る。ここからの眺めが良い。
手前に水郷、向こうに八幡山そしてその後ろに比叡山。比叡山の向こうは亰都だ。思えば、これを見たい旅だった。(右上の写真)
摠見寺跡からの下り道は、すごい急な石段。
ここで私は転倒し、足をひどく捻挫し足小指を骨折した。
城跡入り口でもらったパンフレットに、こう書いてある。
「注意事項の4:石段は急で危険な箇所であっても安全策を施すことができません。史跡内は各自、自己責任で御入山ください。」
そして、もうひとつ。
「注意事項の1:山中にトイレはございません。必ずご出発前にお済ませください。」
城跡のあちこちを巡るコースは一時間弱かかるのに、安土山にはトイレが無いのだ。
「安全策を施すことができません」という事も含めて、山全体が遺跡だからか?
じゃ、ご出発前に用を足すトイレが、城跡入り口付近にあるかと言えば、無い。
ただし、市営の有料トイレがある。
それは、近江八幡市総合政策部文化観光課が運営する、城跡ガイダンス施設。(右写真)
この施設は入館料200円(小中学生100円)をとるのだ。
要するに、トイレをしたい人は、「入館料を払ってトイレをする。」
それも、開館9時以降しか利用できない。
私の目前で、2人の子を連れた若いお母さんが、入館料を払ってトイレに入って行った。そして「トイレに入るのに、なんでお金とるの?」という子供の声が、トイレに張り巡らしたよしず越しに聞こえて来る。 まったくその通り!
トイレに張り巡らしたよしず、とは、右写真の城跡ガイダンス施設の茶色い所、よしずの囲い。なぜトイレの存在を隠すのか?
写真で確認できるとおり、トイレは、通りに面している。どう見ても、構造上、もともとトイレは無料公開される設計である。
安土山山中にトイレが無い件は、城跡入り口の看板にも注意書きがあり、そこには加えて、こう書いてあった。
「尚、トイレのあるガイダンス(施設)は、当山とは無関係である事をご承知おき下さい。」
なるほど、安土城跡の安土山全域は摠見寺という寺の私有地なのだ。
よって寺は、私有地外の事は知らぬ存ぜぬという構え、有料トイレについて当方に聞くな、という突き放した態度。
ようこそ観光地へ、というおもてなしの概念が、ここ織田信長の城跡には、無い。
足を痛めた私はタクシーで駅まで。その運転手の話によると、摠見寺と近江八幡市は、トイレや駐車場をめぐって、長年に渡って何やらいがみ合っているらしい。
それにしてもだ、近江八幡市はなぜ、トイレを有料にするのだろうか!
今に伝わる近江商人の心得、「三方よし」。
「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」。売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできるのがよい商売であるということ。
ああそうか、坊主も役人も、商人じゃない、か。
安土城とは:https://ja.wikipedia.org/wiki/安土城
※八幡山は新幹線から見えます。
米原→京都間で米原を出てまもなく、進行方向右手(座席のE席側)に、「観音寺城跡」という看板が小山のふもとに見える。
およそ、この小山の向こう側に、安土城がある。
そしてさらにしばらく、この辺り特有の小山をいくつか見て、次に視界が拡がり土地が平らな所の、ずっと向こうに、小さくイオン の赤い看板(AEON)が見えたなら、そのイオンのうしろ左手が八幡山。
← 写真はクリックすると拡大します。
水郷めぐり、秀吉の甥・豊臣秀次の八幡山城跡、近江商人の城下町、そして織田信長の安土城跡。

水郷めぐり
琵琶湖の内湖、西の湖を中心とした水郷
京都駅0番線ホームからJR琵琶湖線で30分ほど、まもなく近江八幡駅に到着。
さっそく、水郷めぐりの船着き場へ。
船頭が櫓(ろ)を漕ぐ手こぎの舟。売り文句は「日本一おそい乗物 手こぎの舟 水郷めぐり」
7人の客を乗せ、ゆらゆらと左右に揺られて舟は出た。
水郷の中は、江戸時代にでもタイムスリップしたかのように、本当に静か。
風が少し強い。舟は少々流される。
しきりに鳴くヨシキリの声と、ヨシ(葦、芦、アシ)の葉擦れの音、それだけしか聞こえない。原始の日本の風景を楽しめる。
あれが、織田信長がつくった安土城の跡(安土山)だという。意外に低い。
一時間で船着き場に戻った。
水郷は静かな内湖だ。エンジン船の水郷めぐりもあるが、スピードを楽しむなら琵琶湖か海の方がいいでしょう。
近江八幡の水郷とは:https://ja.wikipedia.org/wiki/近江八幡の水郷

八幡山城と城下町
秀吉の甥・豊臣秀次の八幡山城跡、近江商人の城下町
船着き場から民家の間の路地をたどって、千年の歴史ある日牟禮八幡宮へ。
それからロープウェイで一気に山頂へ。(標高283m)
城跡から見る琵琶湖と、対岸の比良山地の山並が雄大でとてもいい!スケールの大きな景色だ。
琵琶湖は古代湖だ。それは、河川からの土砂で埋まらずに、およそ10万年以上存続している湖。古代湖は世界中で20ヶ所ほどでしか確認されてないらしい。
下山し、次は城下町を歩く。城と城下町の防御であり運河と港でもあった八幡堀は、琵琶湖につながっている。
この町は、信長の死後、安土城の城下から町人を移住させて始まった。
そしてここは、近江商人の発祥の地でもある。町並み保存がなされていて、大きな町人屋敷が今もある。
ちなみに八幡山は新幹線から見えます。※下記
八幡山城とは:https://ja.wikipedia.org/wiki/八幡山城
日牟禮八幡宮とは:https://ja.wikipedia.org/wiki/日牟禮八幡宮
安土山から比叡山(左上の奥)を見る。

安土城跡
困ったもんだの安土城
JR近江八幡駅の隣りが安土駅。
駅から城跡までは徒歩30分。レンタサイクルもあるが歩きをすすめる。道は平坦。
駅から線路沿いに進み、そして集落を抜けて行くと、急に一面田んぼ、広々とした田園風景が眼前にひろがる。
その風景の中の農道を、前に見える安土山(標高199m)へ向かって歩くこと15分。
ヒバリがあちこちで鳴く。サギが田に降りている。吹く風が気持ち良い。誰もいない。「ぴーひょろひょろー」とトンビも鳴く。
突然、汽車の汽笛。JR琵琶湖線を蒸気機関車が電気機関車に牽引されて、広い田園風景をのんびり横切って行った。
現世のあれやこれやをちょっと忘れかけた頃、安土山の登り口に着く。
この城の工事は1576年に始まった。そんなことを思いながら大手道の石段を登る。登り始めてすぐ、右手に伝・前田利家邸跡そして今度は左に伝・秀吉邸跡、も少し登って伝・家康邸跡。
先に注意が必要だが、ここは山にある遺跡であって、整備された史跡公園ではない。
大手道の石段は、少し加工した程度の自然石を左右一列に並べ、段にしているだけ。段差は40センチはある。手すりは無い。大手道を過ぎて本丸目指す道は舗装されない山道だ。
頂上の天主跡を見て、少し下ると摠見寺跡に出る。ここからの眺めが良い。
手前に水郷、向こうに八幡山そしてその後ろに比叡山。比叡山の向こうは亰都だ。思えば、これを見たい旅だった。(右上の写真)
摠見寺跡からの下り道は、すごい急な石段。
ここで私は転倒し、足をひどく捻挫し足小指を骨折した。
城跡入り口でもらったパンフレットに、こう書いてある。
「注意事項の4:石段は急で危険な箇所であっても安全策を施すことができません。史跡内は各自、自己責任で御入山ください。」
そして、もうひとつ。
「注意事項の1:山中にトイレはございません。必ずご出発前にお済ませください。」
城跡のあちこちを巡るコースは一時間弱かかるのに、安土山にはトイレが無いのだ。
「安全策を施すことができません」という事も含めて、山全体が遺跡だからか?
じゃ、ご出発前に用を足すトイレが、城跡入り口付近にあるかと言えば、無い。
ただし、市営の有料トイレがある。

この施設は入館料200円(小中学生100円)をとるのだ。
要するに、トイレをしたい人は、「入館料を払ってトイレをする。」
それも、開館9時以降しか利用できない。
私の目前で、2人の子を連れた若いお母さんが、入館料を払ってトイレに入って行った。そして「トイレに入るのに、なんでお金とるの?」という子供の声が、トイレに張り巡らしたよしず越しに聞こえて来る。 まったくその通り!
トイレに張り巡らしたよしず、とは、右写真の城跡ガイダンス施設の茶色い所、よしずの囲い。なぜトイレの存在を隠すのか?
写真で確認できるとおり、トイレは、通りに面している。どう見ても、構造上、もともとトイレは無料公開される設計である。
安土山山中にトイレが無い件は、城跡入り口の看板にも注意書きがあり、そこには加えて、こう書いてあった。
「尚、トイレのあるガイダンス(施設)は、当山とは無関係である事をご承知おき下さい。」
なるほど、安土城跡の安土山全域は摠見寺という寺の私有地なのだ。
よって寺は、私有地外の事は知らぬ存ぜぬという構え、有料トイレについて当方に聞くな、という突き放した態度。
ようこそ観光地へ、というおもてなしの概念が、ここ織田信長の城跡には、無い。
足を痛めた私はタクシーで駅まで。その運転手の話によると、摠見寺と近江八幡市は、トイレや駐車場をめぐって、長年に渡って何やらいがみ合っているらしい。
それにしてもだ、近江八幡市はなぜ、トイレを有料にするのだろうか!
今に伝わる近江商人の心得、「三方よし」。
「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」。売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできるのがよい商売であるということ。
ああそうか、坊主も役人も、商人じゃない、か。
安土城とは:https://ja.wikipedia.org/wiki/安土城

米原→京都間で米原を出てまもなく、進行方向右手(座席のE席側)に、「観音寺城跡」という看板が小山のふもとに見える。
およそ、この小山の向こう側に、安土城がある。
そしてさらにしばらく、この辺り特有の小山をいくつか見て、次に視界が拡がり土地が平らな所の、ずっと向こうに、小さくイオン の赤い看板(AEON)が見えたなら、そのイオンのうしろ左手が八幡山。
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