映画 冷たい熱帯魚 ｜監督：園子温

上映前に監督とキャストの舞台挨拶があった。
不思議なことに、東京フィルメックスという輝かしい場なのに、キャスト達のトークはそろって言葉少なく、妙に口ごもりがちで覇気がない。まるで出演した事に困惑してる様子に見えた。？？な気持ちを持ったが、まもなく上映開始。
さて、俳優みな、一生懸命演じているのですが、監督の、演技への注文が厳しいのだろう、、、俳優は注文に応えることに一杯一杯だった感じが映画から伝わってくる。その余裕無さのためか、演技の線が細く、登場人物はスクリーンの中に小さく留まってしまって、銀幕のこちら側にガツーン！と突き抜けてこない。スプラッター・エンターテインメントだからこそ期待したいグラマラスな演技、（例えば、腐肉臭な暗い微笑み、鳥肌だつ狂気、マニアックであっけらかんな暴力、妖艶な検死台の阿修羅など）そんな魅力に乏しい、その分、単にかわいそうな話になってしまって、観客は爆笑する暴力を行使できない。
要するにスプラッター映画という派手な仕掛けなのに、仕掛けの持つエネルギーに演技が力負けしている。唯一、監督の演技指導プラスαの「α」が見えたのは、でんでん。突き抜けていた。ただ、でんでん一人じゃ～話が面白くならない。ほかの俳優さんたちも、でんでんと競うように図太い演技で張り合ってこそ、エンターテインメント。残念ですが、そう感じました。次作品に期待したい。

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冷たい熱帯魚｜監督：園子温｜2010年｜2010東京フィルメックス　東京国際フォーラムにて
出演：吹越満｜でんでん｜渡辺哲｜黒沢あすか｜神楽坂恵｜梶原ひかり｜

　　　



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