映画「幸せをつかむ歌」 主演:メリル・ストリープ  監督:ジョナサン・デミ

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01-.png 女優メリル・ストリープが貧乏なロックミュージシャンを演じる映画。

 30歳代で離婚し、家庭を後にしたリッキー(メリル・ストリープ)が、その後20年間、家庭を一切顧みず、50歳半ばになって、ある事をきっかけに初めて家族と再会する話です。

 ある事とは、リッキーが産んだ娘ジュリー(メイミー・ガマー)が、ジュリーの夫の浮気が原因で精神的に参ってしまい出戻った事。
 ジュリーの引きこもりは激しく、元夫ピート(ケヴィン・クライン)や再婚の奥さんでは手におえず、ピートがリッキーにヘルプの電話をしたことから物語は始まる。

 あわせてこの映画、登場人物の設定を対極的に対比させ、階層社会の上と下や、成功者と敗者のコントラストをはっきりと見せます。
 ただし人生、幸せか不幸せかは、階層の上下ではないことも映画は語ります。

 その昔、リッキーはピートとの結婚後も3人の子を出産後もロックミュージシャンになる夢を抱き続けていた。かたや夫ピートはビジネスでの成功を目指していた。
 そして離婚後20年ほどが経ち、リッキーは貧乏バンド生活で格安モーテル住まいの独身。夫ピートはビジネスに成功し大邸宅住まい、富裕層の黒人女性を妻にし、妻はリッキーが産んだ子3人を育てあげた。

 もう少し、お話のことを言うと・・。 
 1970年から1980年代、ロックが一番輝きロックしていた頃、リッキーはピートと結婚した。
 リッキーはきっと育児や家事にも専念していたのだろう。(このころリッキーは白人中流以上の層にいた)
 しかしリッキーはロッカーになりたいという若いころからの夢を捨てきれず結局、夫婦の関係は崩れ、子たちを残して家を出た。
 
 その後、リッキーはアルバムを一枚出すまでには至ったが、あとが続かなかった。
02-.jpg そして今、ライブハウスでRICKI AND THE FLASHというバンドで歌っている。(演奏曲はこちら映画公式サイト、外部リンク)
 RICKI AND THE FLASHは、有名曲をカバーするしがないバンドだが、いい演奏をする。店の客も乗っている。
 リッキーは、バンドのギタリストのグレッグ(リック・スプリングフィールド)と、いい仲。互いにバツイチ似たような境遇。
 ライブハウスの客は、バンドメンバーたちと同じ50歳代、そして同じような下層生活レベル。また、バンドも客たちも、ごく普通に白人黒人が混じっている。

 一方、ピートはモーリーン(オードラ・マクドナルド)と再婚し、今や高級住宅街(ゲーテッドコミュニティ)に大きな家を構えている。
 ピート夫妻を取り巻く人々は上流階級の白人たちだけで、黒人は妻のモーリーンだけのようだ。
3-0_2018031821434115c.jpg リッキーが産んだ子たちは、出戻りのジュリー、ゲイのアダム、近々結婚するジョシュ。
 兄妹間の人間関係は悪いし、父親ピートとの関係も悪い。(継母モーリーンとの関係は描かれていない)
 そんななかにリッキーが20年のブランクののち急に現れたわけですから、ジュリーがリッキーを無視するのは当たり前。

 さてさて、お話はどう展開しますやら、それは観てのお楽しみ。ハッピーエンドで終わります。
 本作の監督ジョナサン・デミについて言えば、2008年の作「レイチェルの結婚」の方が出来がいい。題名下線部から記事をご覧ください。




オリジナルタイトル:RICKI AND THE FLASH
監督:ジョナサン・デミ|アメリカ|2015年|101分|
脚本:ディアブロ・コディ|撮影:デクラン・クイン|
出演:リッキー愛称リンダ(メリル・ストリープ)|元夫ピート(ケヴィン・クライン)|出戻った娘ジュリー (メイミー・ガマー)|リッキーの彼氏グレッグ(リック・スプリングフィールド)|ピートの妻モーリーン(オードラ・マクドナルド)|息子ジョシュ(セバスチャン・スタン)|ジョシュの結婚相手エミリー(ヘイリー・ゲイツ)|息子アダム(ニック・ウェストレイト)|


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幸せをつかむ歌


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