映画「幸福(しあわせ)」   監督:アニエス・ヴァルダ

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 夫婦の幸せ、我が子がいる幸せ、そして、めぐりあわせが良い幸せを描く映画です。
 
 万が一、不幸に見舞われても、その悲しみの深みに沈みこまぬうちに、新たな幸せが向こうからやって来るという運の人がいる。
 言い換えれば、悲痛に生きる人がいる一方で、楽しくうまく生きる人がいる、そんな人の明るい幸せを描いていきます。
 あわせて、相手の幸せを壊さない寛大な心の持ちようが話をつなぎます。

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 フランソワとテレーズの若夫婦には可愛い子がふたりいる。
 町の木工所に務めるフランソワ、自宅でドレス縫製の注文を受けるテレーズ。
 豊かではないが何の不自由もない、絵に描いたような、幸せな家庭。

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 そんななのに、フランソワはエミリーと出会い、この2人は一瞬にして互いに一目惚れ、デートを重ねる。
 この愛人エミリーを前にしてフランソワは、愛妻テレーズとの幸せを語り、エミリーはそれを恨まず離婚してとも言わず、フランソワの家庭の今の幸せを十分承知している。



3-0_20180715142348044.jpg そんなある日、フランソワとテレーズは我が子を連れて、大きな池のある緑地にピクニックに出かけた。
 そこでフランソワは、愛人の事を打ち明けた。
 フランソワは妻の反撃を身構えたが、意外にも、「あなたが幸せならそれでいい」と、テレーズは言った。安心した“幸せフランソワ”は、妻の膝枕でちょっと昼寝をした。
 しばらくして目覚めたフランソワは妻の姿がないのを知る。子たちを連れて緑地のあちこちを探すが妻を見つけられない。

 そして池から妻の水死体が上がる。自殺だろうか、映画は池の水面に垂れ下がる木の枝にしがみつこうとする溺れるテレーズの映像を一瞬みせる。事故かもしれない。

 葬儀が終り、フランソワは残された幼い娘・息子との寂しい生活が始まる。
 しかし、親戚がこの父子を温かく見守り助けてくれる。

 そんな折、フランソワは子供を連れてのピクニックに、エミリーを誘った。
 そしていつしかエミリーは、フランソワの家の、一つ屋根の下で妻として母として暮らし始めるのであった。

 この映画は、まるで何事もなかったかのように「幸福」を享受する“幸せフランソワ”についての、寓話なのかもしれない。

オリジナルタイトル:Le Bonheur
監督・脚本・台詞:アニエス・ヴァルダ|フランス|1964年|80分|
撮影:ジャン・ラビエ、クロード・ボーソレイユ|挿入音楽作曲:モーツァルト|
出演:フランソワ(ジャン=クロード・ドルオー)|その妻テレーズ(クレール・ドルオー)|息子ピエロ(オリヴィエ・ドルオー)|娘ジズー(サンドリーヌ・ドルオー)|愛人エミリー(マリー=フランス・ボワイエ)|ポール(ポール・ヴェキアリ)|ほか

こちらで、フランス映画の特集をしています。

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