映画「ジャーマン+雨」  監督:横浜聡子

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 公開時の衝撃は、なかなかでした。
 こういう映画もあるんだと。異次元だね。優れた喜劇です。

 人の話を聞かない女、自身の要求を強引に性急に相手に求める、そんな迷惑極まりない「よし子16歳」を演ずる女優、野嵜好美は、ワン&オンリーだ。

 この尖がりな女の行動を緩和するのが、小学生の男の子3人。(この子役たちが、おいしい味を出している)
 彼らは、よし子が開く縦笛教室の生徒たちだ。
 よし子は先生だが、子たちと同レベルで戯れている(と第三者には見える)

 とある地方都市の郊外、田園風景の中に、ぽつんと建つ、くたびれた小さな一軒家に、よし子はひとりで住んでいる。
 小さい頃、親の離婚時に両方の親に捨てられ、その後、祖母の家で育つも、祖母の死後、中学を中退し、植木職見習いでなんとかギリギリの生活をしている。
 そして小遣い稼ぎに、小学生相手に自宅で縦笛教室を開いている。


0-1_201811162017347ab.jpg よし子は、まるで漫画のキャラのような粗暴な女で嫌われ者だが、それでも彼女を良く思ってくれる人間がいる。
 その一人は、よし子が学校に通っている頃に同級だった、美人の上野まき(藤岡涼音)。
 時によし子にぶたれたりするが、とても親身になってくれる。
 もうひとりは、植木職の先輩でイケメン・ドイツ人のカイ(ペーター・ハイマン)。
 実は、イケメンがいるとのうわさをよし子は聞きつけ、それで植木職人見習いに就いた次第。
 
 よし子は、恋をしたい、歌手デビューしたい、金持ちになりたいと無謀な夢に、無鉄砲にしがみ付いている。
 そんな夢に付き合ってくれるのが、上野まき。(それは観てのお楽しみ)

0-2_2018111620194375d.jpg ですが、よし子の夢は破れ、破れかぶれの日々。
 ほんとはね、そんな夢、叶うはずは無いと自身もハナから思っていたのだろうが、抱く夢が寂しさ悲しみ吹き飛ばす原動力・・。

 よし子、自殺か? 家の前にあるマンホールにいきなり飛び込む。(そこは汲み取り式便所の、し尿槽)
 病院に運ばれ意識不明でベッドに横たわるよし子に、男が床を這いながらベッドサイドに来て、よし子の手を握る。
 そう、それはなんと、植物状態で同じ病院に入院していた父親であった。
 昔、よし子が幼い頃、し尿槽に落ちて、父親が助けてくれた、今回もそのようだ。

予告編をご覧ください。
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=fOBToMO-A_U




監督・脚本:横浜聡子|2006年|71分|
撮影:平野晋吾 、 鎌苅洋一|
出演:林よし子(野嵜好美)|上野まき(藤岡涼音)|カイ(ペーター・ハイマン)|ケン(本多龍徳)|みつぐ(徳永優樹)|あつし(田尻大典)|林よし子の父親(飯島秀司)|汲み取りバキュームカーの男・小川(ひさうちみちお)←著名な漫画家です!


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