ロシア映画「アイカ」(原題) ~第19回東京フィルメックス上映作品

『アイカ 』(公開時邦題未定)  Ayka 【コンペティション作品】 
ロシア、ドイツ、ポーランド、カザフスタン、中国|2018|100分|監督:セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ (Sergei DVORTSEVOY)|2019年公開予定
アイカ



 季節は冬、大雪のモスクワが話の舞台。
 天山山脈の北、キルギス共和国(旧国名キルギスタン)から出稼ぎに来ている若い女性、その名はアイカ。 
 モスクワ市内の病院で出産しその直後に、子を院内に置き去りにして、アイカは病院を去った。

 アイカが持つ、外国人労働者の労働許可証の期限は、すでに切れている。
 もとより、彼女のような中央アジアからの出稼ぎに、まともな扱いを受けるまともな収入の仕事はない。

 病院を去ったアイカは、その足で、それまで働いていた職場へ急ぐ。
 そこは、人目を避けた薄汚い地下室、鶏肉処理に女たちが働いている。アイカも加わる。
 しかし怪しげな雇い主は、彼女たちにここ数日分の賃金支払いをせず、姿をくらました。

 アイカは苦しそうだ。
 出産直後の医療手当を受けずに病院を出たのだから当然だ、出血が止まらない。
 アイカの住処は、不法滞在の人間たちが集まり住むホテル、と持ち主が呼ぶタコ部屋のような所。窓はすべて塞がれ当局の目を避けている。一人分のスペースは畳一畳分あるかないか、仕切りはカーテン1枚。アイカは家賃を滞らせている。

 スマホに、アイカの姉からたびたび電話がかかる。
 良からぬ者に脅されているらしい。
 アイカは、実はその連中からまとまった金を借りたが、まだ多額の残金を返せずにいる。その脅しが始まった。あと2日で返せ、さもなくば姉の指を切り落とすと脅す。
 アイカが出産すぐに働こうとするのは、この返済にため。時間は無い。
 何故に彼女は多額の借金をしたのだろう、それは彼女の夢、起業だったが・・。

 アイカの乳房が張る。服に乳が染み出る。体調も思うようには戻らない。
 それでも、働き口を探して街をさまよう。雪かきの仕事は無理だった。
 そんななか偶然にも同郷の女性に出会い、代理で臨時の仕事を得た。

 しかしアイカはついに返済は無理だと観念した。
 残す最後の手、それは・・・。(公開を待って、観てください、アイカ役の女優が大熱演です)

              

 ロシアでも、やはり移民差別の問題があります。
 下記は、ロシアの「出稼ぎ労働者ガイド」に侮辱的表記、というグローバル・ボイスの記事。(外部リンク)
 https://jp.globalvoices.org/2013/01/10/19745/ (グローバル・ボイス)
 出稼ぎ労働者向けのガイドブックに、出稼ぎ者を表すイラストの、その顔の部分が道具(塗装用ローラー、ほうき、コテ)に描かれている。
 私のブログでは、出稼ぎ労働を主題に据えた映画を2つ取り上げています。
 スペイン映画「BIUTIFUL ビューティフル」とベルギー映画「イゴールの約束」です。クリックしてご覧になってみてください。
 
 なお、「アイカ(仮題)」の監督、セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ監督は、2008年に「トルパン」という映画を撮っています。(カンヌ映画祭「ある視点」賞を受賞)
 この映画はすでに私のブログで記事にしています、こちらからお読みください。
 「アイカ」主演女優も出演していました。

【 一夜一話の歩き方 】
下記、クリックしてお読みください。

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やまなか
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