映画「吹けば飛ぶよな男だが」  監督:山田洋次

上

 喜劇をベースに、阿呆なチンピラの恋と、その行方を語る映画。

1-0_20181128153126c70.jpg 主役「吹けば飛ぶよな男」を演ずる、なべおさみの想定外の熱演です。
 相方は、ど田舎からポッと出て来た、ちょっとポンな女、の役柄がぴったりの緑魔子。
 そして、もうひとりの相方、チンピラの手下役、佐藤蛾次郎が、寅さん出演以上のいい味。

 九州から片道切符で大阪駅に降り立った花子(緑魔子)。いかにも家出娘、の風。
 かたや、駅前雑踏で、ポルノ(ブルーフィルム)出演の女を物色中のやくざ数人。つまり、鉄(芦屋小雁)と、その配下に、主役の三郎(なべおさみ)にガス(佐藤蛾次郎)がいる。

 ま、いろいろあって、三郎は、堕ちてい行きそうな花子を、やくざのおもちゃにされそうな花子を、どうにも見過ごすことができず、大阪の街の片隅で、ガスとともに思案するが、そのうち三郎は花子に情が移り、そして恋・・。


2-0_20181128153413550.jpg 花子の妊娠。
 三郎が紹介した、花子の勤め先トルコ風呂の女将、お清(ミヤコ蝶々)が三郎に花子の妊娠を教えた。

 一方で、三郎とガスと、ソレとは理解していない花子とで始めた、ツツモタセ稼業に引っかかった客、独身の大学の先生(有島一郎)から、花子は隠れキリシタンの里生まれで、その教えから堕胎も、自殺もできないことを、三郎は教えられる。
 実は花子、強姦の末の妊娠であったし家出であったのだ。
 ああ、花子の苦悩!そして三郎はいかに・・。
 う~ん、あとは観てのお楽しみ。

 この映画、いわば、なべおさみ、緑魔子、佐藤蛾次郎が主役と言っていい。
 そして名脇役ミヤコ蝶々に有島一郎が脇を固める。
 ちょい役も、なかなかの布陣。
 大阪万博開催2年前の1968年、昭和43年の大阪の街をお楽しみください。

監督:山田洋次|1968年|89分|
脚本:森崎東、山田洋次撮影:高羽哲夫|
出演:なべおさみ(三郎)|緑魔子(花子)|佐藤蛾次郎(ガス)有島一郎(先生)|ミヤコ蝶々(お清)|犬塚弘(不動)|芦屋小雁(鉄)|上方柳太(馬やん)|上方柳次(喜やん)|牧よし子(先生の家の老女中)|石井トミコ(不動の妻)|曽我廼家一二三(刑事)|佐山俊二(看守)|石橋エータロー(男)|安田伸(客引きの男)|石井均(トルコ風呂の助平男)|小沢昭一(弁士)|

大阪を舞台にした映画をここに集めました。
大阪
(兵庫・和歌山・奈良も含めました)


こちらで山田洋次監督の作品をまとめています。
サム2


森崎東 監督の映画
写真
時代屋の女房
写真
喜劇 女は度胸
写真
生きてるうちが花なのよ
死んだらそれまでよ党宣言
写真
街の灯
写真
吹けば飛ぶよな男だが
  脚本担当


【 一夜一話の歩き方 】
下記、タップしてお読みください。

写真
写真
写真
写真
写真
関連記事
やまなか
Posted byやまなか

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply