映画「天使の分け前」 監督:ケン・ローチ

写真
皆、有罪判決で、裁判所の命令により、刑罰として社会奉仕の無償労働を強いられた、ワルな若者たち。
先頭を歩くのが、主人公のロビー。
その左、ロビーと並んで歩く太っちょが、保護観察所の指導員ハリー。
                  

0-1_20181210102032cfc.png ケン・ローチ監督による娯楽映画です。
 イギリスの下層の青年たちの非行を描く、ケン・ローチ風の物語設定ですが、本作「天使の分け前」は、 ハッピーエンドで終わるハートフルなコメディ作品となっています。

 仕事に就かず(就けず)、無為な日々を送るワルな青年7人が、裁判所からそれぞれ有罪判決を言い渡され、刑罰として40時間以上300時間以内の社会奉仕(ペンキ塗り作業などの無償労働)をすることが決まった。
 彼らの犯罪内容はそれぞれだ。繰り返す暴力沙汰や、アルコール/薬物依存による万引き常習、歴史的記念碑(銅像)への悪戯、列車運行の妨げなど、だった。

 そんな彼らの奉仕活動を現場でまとめ監督するのが、保護観察所の指導員ハリー。
 ハリーは彼らに寄り添う気持ちがある優しい男であった。
 特にハリーの心を引いた青年は、ロビーだった。
 なぜならロビーの彼女レオニーが出産間近であったからだ。暴力沙汰を繰り返すロビーが「父親になる」ことは、ロビーが悪から更生する絶好の機会だと、ハリーが考えたからだった。

0-2_20181210102455571.jpg しかし、これを妨げるのは、ロビーとレオニーそれぞれの父親同士の、古くからの憎しみ合いの因縁であった。

 つまり、正式に夫となるロビーを排斥しようとする、レオニーの家族側の暴力にロビーはさらされるが、これにロビーが暴力で応えれば、もう奉仕活動の刑罰では済まされない。
 レオニーとハリーは、いらつき憤るロビーを制した。そして男の赤ちゃんが生まれる。二人はルークと名付けた。

 ここに来てついに、レオニーの父親がロビーに相談を持ち込んだ。
 お前との喧嘩はお前がいればこれからも続く、5000ポンド渡すから、レオニーと別れ、赤ちゃんを置いて、黙ってこの街を去れと。
 そう、この街にいても、しょうがない、そうロビーも思った。(できれば三人でこの街を出たい・・)

 そんなある日、ハリーは自身の休日を利用して、ロビーら社会奉仕のメンバーを、ウィスキー工場見学やテイスティング会へ連れ出した。(その時のシーンが上の画像)
 ハリーはスコッチウィスキー愛好家で、皆も試飲を楽しんだ。

 話はここから急展開しだす!
 ロビーを幸運に導いたのは、結果的には、社会奉仕活動メンバーの中の一人の女の子だった。
 彼女は万引き常習犯で、何を盗んだことがロビーを幸せに導くことになったのか。
 それは、(1)にスコッチウィスキー工場の売店で、ウィスキーのミニボトルを多量に盗んだこと、(2)に世界的に貴重なスコッチウィスキーを貯蔵樽ごと、競りに出された競売会場で、そのウィスキー貯蔵庫を紹介したオークション資料を盗んだこと。
 もちろん万引きの彼女は、ロビーのためにとは、さらさら思ってのことではなかった。

 ロビーは、持ち帰ったミニボトルを皆であれこれ試飲するうちに、それぞれのスコッチウィスキーの味と香りに魅了された。そう、ロビーは、その違いが分かる自分自身に気付いたのだ。
 そして彼は、図書館まで出かけてスコッチウィスキーのテイスティングの本を読みあさった。

 さてさて「天使の分け前」って何? さあ、それは観てのお楽しみですが・・・
 ロビーが思い浮かんだ「ある計画」に乗った3人は、大金を得て、ロビーは職も得た。
 そして、ロビー、レオニーと赤ちゃんの3人は、意気揚々と街を去っていったのでした。
 その時、レオニーはロビーに、にこやかに言った。
 「そんなヤンチャな、あんたが好きよ!」 (終)

オリジナルタイトル:THE ANGELS' SHARE
監督:ケン・ローチ|イギリス= フランス= ベルギー= イタリア|2012年|101分|
脚本:ポール・ラヴァティ|撮影:ロビー・ライアン|音楽:ジョージ・フェントン|
出演:ロビー(ポール・ブラニガン)|ハリー(ジョン・ヘンショウ)|アルバート(ガリー・メイトランド)|ライノ(ウィリアム・ルアン)|モー(ジャスミン・リギンズ)|タデウス(ロジャー・アラム)|レオニー(シボーン・ライリー)|ロリー・マカリスター(チャーリー・マクリーン)|

ケン・ローチ監督の映画
写真
SWEET SIXTEEN
写真
ケス
写真
天使の分け前
写真
リフ・ラフ


【 一夜一話の歩き方 】
下記、タップしてお読みください。

写真
写真
写真
写真
写真
関連記事
やまなか
Posted byやまなか

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply