映画「海炭市叙景」  監督:熊切和嘉

こりゃいい!
腰を据えて、じっくり撮りましたね。近年の邦画になかった、しっかりした作りの映画です。

まず、映画の舞台である海炭市(架空)の街が、よく練って描かれていて揺らぎがない。
いくつもの話が交錯するが、この街(舞台)の表現がとてもしっかりしているので、どの話も街に根っこが張れていて、話がボケない、拡散しない。そして地方都市の、時にうら悲しい市井の表情や、街を吹き抜ける風の肌触りが、実によく映像化されている。(ロケ地:函館)
ここでもう、この映画の勝利を実感できる。
一方、舞台の上の登場人物やエピソードは淡々としている。映画は、登場人物たちに温情をもって接しない、深入りしない、冷たく客観視するが、決して見放さない。(この映画の成功は、ここにある)
観客はみな、静謐な雪原で感じるような清涼感に包まれて、映画館を後にするだろう。映画の至福。

映画に寄り添うような、ジム・オルークの音楽、いいね。
今年観た映画ベスト3を、昨日このブログに書いたが、急遽、この映画を加えます。(笑)


市電 監督:熊切和嘉|2010年|152分|
 原作:佐藤泰志|音楽ジム・オルーク
 出演:竹原ピストル、三浦誠己、山中崇、谷村美月、加瀬亮、南果歩、渡辺真起子、小林薫 ほか


車内
すきゃすきゃ

横顔
日の出影

おば
ひとり座る3





熊切和嘉 監督の映画
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空の穴
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揮発性の女
写真
海炭市叙景


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やまなか
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