映画「厳重に監視された列車」  チェコスロバキア映画  監督:イジー・メンツェル

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 舞台は、チェコスロバキアの田舎のとてもローカルな駅。
 ダイヤは一日数本、駅員4名。
 そしてある日、こんな駅に新入りの若者が5人目として加わった。
 彼の名はミロシュ、駅員見習い。
 しかし、先輩駅員はみな暇を持て余している。

 映画は、この駅の人々が駅務以外の時間を、どう過ごしているかを、のんびりしたコメディで見せて行きます。


1-0 駅舎の二階に住む駅長は、ハトの飼育に熱心で、同じく熱心に駅員のひとりで電信係りの若い女駅員ズデニチカを口説いている。
 しかし、もう一人の駅員フビチカは、この女性といい関係だから、駅長は嫉妬。
 ミロシュは、幼なじみの女車掌マーシャと仲がいい、ので、彼女が乗る列車が駅に停車するのが待ち遠しい。
 4人目の駅員は静かな年配で、彼らの行いを遠目に見ている・・。

2-0 ところでミロシュに深い悩みがある。
 彼女とベッドを共にしたが果たせなかったのだ。早漏らしい。
 映画はこの先、ロシュのこの悩みについてのアレコレを可笑しく展開させます。(医者役を監督が演じています)

 さらにこれに乗じて映画は、駅員フビチカと電信係りの女駅員ズデニチカとの、駅のハンコを使ったエロチックな遊びが、鉄道上層部にバレて事は大事になる、というスッタモンダを語ります。

 さて、しかし、この映画を、ゆるいエロチックな話と勘違いしないように。
 時はナチスドイツ下のチェコスロバキアで、この駅をナチス軍の列車も通過するのです。

 世は、チェコ人とスロバキア人とのそもそもの不和が続き、親ドイツ派/反共派・反ドイツ派の分断、そしてナチス・ドイツの圧迫と、まさに荒波の中なのです。

 映画の狙いは、こうした荒波と、ゆるいエロチックな話といった、相容れない2つの話を交錯させて、当時のチェコスロバキアの国情をコメディっぽく言いつつも、庶民のおおらかさと怠惰と、権力に追従する人、そして負けない力を、気負うことなく現したいのだろうと思う。

 で、ある日、駅に1人の女性が現れる。
 彼女ヴィクトリアは、ロシュの悩みを、駅のソファーで解決もしたが、実はパルチザン、それもヒラの戦士じゃない。
 ヴィクトリアは用意した時限爆弾をこの駅に持ってきたのだ。近日中に、爆弾を大量に積んだナチスの軍用列車がこの駅を通過するらしい。
 時限爆弾を受け取ったのは、なんと女たらしのフビチカと年配駅員。この二人も実はパルチザンの一員だったのです。
 ロシュは親しくなったフビチカの言いなりに、通過する軍用列車に時限爆弾を投げ込む役を引き受けるのでしたが‥。

 これが予告編。これだけ観ると、どんな映画か勘違いするでしょう。


3_20190201175918326.jpgオリジナルタイトル:Ostre sledované vlaky|Closely Watched Trains|
監督:イジー・メンツェル|チェコスロバキア|1966年|93分|
原作:ボフミル・フラバル|脚本:イジー・メンツェル 、 ボフミル・フラバル|撮影:ヤロミール・ショフル|
出演:ミロシュ(ヴァーツラフ・ネツカーシュ)|マーシャ(イトカ・ベンドヴァー)|フビチカ (ヨゼフ・ソムル)|ズデニチカ(イトカ・ゼレノホルスカー)|ヴィクトリア(ナジャ・ウルバーンコヴァー)|Dr. Brabec(イジー・メンツェル)|ほか

イジー・メンツェル監督の映画です。
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