映画「金子文子と朴烈」  監督:イ・ジュンイク

上
  金子文子と朴烈のツーショット

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 この映画は韓国映画ですが、話は全編に渡り、大正時代の東京です。
 特に、舞台となる1923年は、関東大震災が起こり、 東京市他郡部に戒厳令が発令されました。
 映画はこの辺りから始まります。

 まずは、主役、金子文子を演じきった女優チェ・ヒソに拍手!
 とにかくその演技は光っています。

 さて、いきなりですが、予告編を観てもらいたい。
 これが、本作「金子文子と朴烈」という映画を知る一番の早道だと思うからです。

  予告編 http://www.fumiko-yeol.com/

 どうです? どう感じました? 
 もし、金子文子(1903-1926)と朴烈(1902 -1974)という実在の人物に関心を持ったなら、さらっと以下のウィキペディアをどうぞ。
 【金子文子】(この人の来歴欄を見てください)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E5%AD%90%E6%96%87%E5%AD%90
 【朴烈】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%B4%E7%83%88
 上記、朴烈についてのウィキペディア記事で、この人のその後の転向歴を知れば、本作「金子文子と朴烈」において、どちらかと言えば、金子文子に注目したストーリーにしているわけが、それとなく分かります。
 そして、本作が扱う朴烈事件という事件とは‥
 【朴烈事件】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%B4%E7%83%88%E4%BA%8B%E4%BB%B6
 
 この事件の根幹は、人種差別の問題に行き当たります。
 つまり本作で言えば、関東大震災の混乱のさなかに、朝鮮人虐殺があったのか否か。
 これを当時の日本政府は、隠蔽しようとしたのか否か。
 しかし今も、虐殺は無かったと主張する人々がいます。(ネットで検索してみてください)

 総じて本作のような映画は、たぶん日本では製作されえない映画です。
 
 金子文子の出自については、本田靖春 (著)の「不当逮捕」 (岩波現代文庫) の147ページ以降に詳細が記載されています。(講談社ノンフィクション賞受賞)
 そのほか、金子文子については、瀬戸内寂聴(著)「余白の春」(2019年)、小池真理子(著)「悪女と呼ばれた女たち」などがあるようです。
 

オリジナルタイトル:박열
監督:イ・ジュンイク|韓国|2017年|129分|
脚本:ファン・ソング|撮影:パク・ソンジュ|
出演:イ・ジェフン(朴烈)|チェ・ヒソ(金子文子)|キム・インウ(水野錬太郎‥内務大臣)|キム・ジュンハン(立松懐清‥予審を担当した東京地方裁判所判事)|山野内扶(布施辰治)|金守珍/劇団「新宿梁山泊」代表(牧野菊之助)|趙博(内田康哉)|柴田善之(山本権兵衛)|小澤俊夫(田健治郎)|佐藤正行(平沼騏一郎)|金淳次(若槻礼次郎‥内閣総理大臣)|松田洋治(江木翼‥司法大臣)|ハン・ゴンテ(栗原一男)|ユン・スル(新山初代)|


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やまなか
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