特集:えっ!「突然、あの人が現れた!」 ~想定外の、ひと騒動の物語 13本
2010年01月02日 公開

もう、これだけで物語になる。
「あの人」とは、日ごろ忘れかけていた、訳ありの身内。
田舎の父であったり、実母であったり、行方知らずの子であったり兄妹であったり、命の恩人であったり、だ。
そのうえ、
「あの人」は、今日まで、何処で、どうしてたのか?
なぜ、突然に帰って来たのか?
そして、そもそも、かつて、なぜ姿をくらましたのか‥などなど
それから、言うまでもなく、帰ってきてからのひと騒動。
そう、このシチュエーションは、幾重にも物語が生まれるのです。
さあ、これは「あの人」をめぐっての興味津々の物語です。
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事実婚の、年の差夫婦のもとに、ある日突然、妻の彩(上野樹里)の父さん(藤竜也)が現れた。
帰宅した彩は、玄関に見慣れぬ靴を発見。
おお、夫・伊藤さんが、お父さんと話してる!(両者、これが初対面)

話はここから、父親の秘密も絡んで、てんやわんやの展開になります。
お父さんを前にしての、伊藤さん役リリー・フランキーが、とぼけていながらも繊細、ここが見どころ。

ひとりっ子だと思っていた、小暮もも(市川由衣)。
ある日、ももは、宅配便が来たかと思いドアを開けると、そこに「小暮かりん、25歳」(池脇千鶴)が火星人のように立っていた。

「小暮かりん、25歳」は、ももの姉だと自称する。
パリに出張中の父(宇崎竜童)に確認すると、そうだと言う!
えっ初耳!
この時から、おもいっきりの混乱が始まった。そして、ももの知らなかった過去が次々に明らかになる。
アスペルガー症候群の姉を演じる池脇千鶴がいい。

舞台は、東京、西銀座、昭和30年。
銀座きっての秀才、老舗の和菓子屋・南蛮堂の長男(鶴田浩二)が留学先からやっと帰国。
店のあるじ(金語楼)は、もう年配で商売に工夫がない。

一方、桜ベーカリー。最近、大阪から上京してきた女あるじ(清川虹子)が銀座に出店したのが、このモダンな店。南蛮堂を出し抜こうと策略をたてる。
その桜ベーカリーのひとり娘が司葉子、という寸法。
西銀座にひと騒動の風が吹く。

瓜二つの、そのふたりは、その夏、祇園祭で賑わう四条河原町あたりで、偶然出会った。
直感で、すぐ、お互いが姉妹だと感じた。
どういう事情だか、この世に生まれてすぐに生き別れた双子の娘が、互いの存在も、両親の顔も知らずに、

ひとりは、西陣の呉服問屋の一人娘として育ち、
片や、北山の奥深く中川の村で、北山丸太の丸太磨きとして働いている。ドラマはここから始まる。

40数年もの間、まったく音沙汰が無かった元夫が、ある日突然、元妻に会いたいと言って、台湾から上海に来て、騒動が起きる話。
60歳をゆうに過ぎた大人3名、つまり上海の夫婦と元夫は、この突然の訪問の落としどころをどこにするのでしょうか?

面子を大事にする中国人たちが、この件で誰がどう立ち回るのでしょうか?
そのあたりを見守りながら、話は右往左往しながら進んでいきます。

30歳代で離婚し、家庭を後にしたロックミュージシャンのリッキー(メリル・ストリープ)が、その後20年間、家庭を一切顧みず、50歳半ばになって、ある事をきっかけに、家族と再会する話です。
そのある事とは、リッキーが産んだ娘が、その夫の浮気が原因で精神的に参ってしまい、出戻った事。

娘の引きこもりは激しく、リッキーの元夫や再婚の奥さんでは手におえず、リッキーにヘルプの電話をしたことから物語は始まる。

32年経って母国ギリシャに帰国したスピロ。彼はギリシャの国籍を無くして久しい。
その間、妻のカテリーナはひたすら彼の帰りを待っていた。
息子や娘、そして親戚たちは、スピロの突然の帰国を「一応」歓迎する。

そしてスピロは村の様子が一変しているのを知った。村がスキー場になる計画だ。
村民が全員一致して自分たちの土地をリゾート開発企業に売ろうとしていた。1人でも反対があれば計画は成り立たない。
村長は周到に準備を進めてきた矢先に、スピロが現れた。彼は反対した。戦争当時もスピロは村の厄介者だった。

とにかく、12年間、留守をした「父らしき男」が、ある日突然帰って来た。
今まで会ったことは一度もない息子2人は、彼がどういう種類の男か、12年間どこで何をしていたのか、何故家を空けていたのか、母から何も知らされていない。

さらには帰って来たその日の、初めての食事どきに、父らしき男は明後日から息子たちと3人で旅に出ると言い出した。
さて父子3人の運命的な旅が始まった。父に反抗し続ける弟イワン、揺れる兄アンドレイ、取りつく島がない一方的な父。
さあ、話はどういう展開になりますやら・・・。なかなかの映画です。絵もいい。

北アフリカのアルジェリアからの移民の男オスマンは、テレビも無い粗末な小屋に妻子と住んでいる。

そこへ風来坊のベルギー人エディが訪ねて来た。エディはオスマンの命の恩人で、義理堅いオスマンはエディの居候を歓迎した。
しかしオスマンは問題を抱えて苦悩していた。病気の妻の医療費が払えない。だから妻は手術が受けられない。
さてさてこれは、生真面目なオスマンと楽天家のエディ、この二人の男がトンデモナイことを仕出かす話。

中年女性シンシアが、苦難の末に心の奥にしまい込んだ、消してしまいたい自身の過去。
それが突然現れた「私はあなたの娘だ」という黒人女性によって、あらわに白日の下に引き出されてしまう。

シンシアは再び悲しみの淵に落ちていくのだが、しかしその黒人女性の素直さが不思議にもシンシアのトラウマを洗い流すのです。
さりげない語り口。暗い映画じゃない。観終わった後は、さわやか。

そんなこんなのある日突然、ひとりの女が店に現れた。
それは、死んだはずだよの、果子(二階堂ふみ)の伯母の未来子(小泉今日子)、つまり果子の母親の姉だった。
母も祖母も、びっくり! 「あんた、生きてたの!」

しかし果子は初対面。
そしてその日から、未来子は家族同然に果子の部屋に居座ることになった。

幼い一人息子の出世を願い、それを生きがいに女給として今を生きる女、おみつ(栗島すみ子)。
そんなある日、おみつを捨て家を出て行った男が3年経って、ふいににふらりと現れた。水原である。

水原は一目、子供見たさに、そしてあわよくばまた、おみつと、よりを戻したい。
だが、気丈なおみつは、キッパリと水原の申し出を拒み追い返そうとした。
さてこの騒ぎを聞き付けた家主夫婦が‥‥

ある姉妹の話です。
麻薬依存症の回復施設に長年入っている妹のキムが、一時帰宅の許可を得て、実に久々に、実家に帰って来た。
明日が姉のレイチェルの結婚式。姉夫婦は趣向をこらした式を、実家(大きな邸宅)であげようとしている。
姉妹の久々の再会。どう接すればいいか?互いに手探りであった。

キムは知らない人々が家に大勢いることで、すでに心を硬くしていた。タバコを離せない。
たぶん、あの時、キムは16歳だったんだろう。(映画は多くを語らない)
あの日キムは、年が離れた弟・イーサンを車に乗せ、ふたりだけでドライブに出た。
キムは麻薬でラリッていたのだった‥。
【 一夜一話の歩き方 】
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