“ 消失点とトンビ、もしくは横須賀美術館” 《 ふと思う、考える。》 その3

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 先日、横須賀美術館へ行ってきた。
 この美術館は、東京湾の入り口にあたる観音崎の海岸に建ち、海に面して広々とした風景の中にあります。(写真は館の屋上庭園)
 
 私は美術館の屋上にある芝生に座り、眼前に広がる、広~い静かな風景をぼんやり眺めていました。
 上空高く、トンビが数羽、上昇気流に乗ってゆっくり旋回しています。見ていて飽きません。

 と、その時、
 視界の右上空から、ジェット旅客機がゆっくり現れた。
 機首を下げた着陸体勢をしていて、エンジンを止め静かに飛んで来たのです。
 すると、ジェットは美術館の前で、急に90度右旋回し、お尻をコチラに向けた途端、どんどん遠ざかって行く。
 そして、点となった機影は、静かに視界から消え去って行きました‥‥

 あ、これって消失点だ!
 あとで地図を見たら、ジェットは成田空港へ向かっていたのです。
 一機目が消失点へ消えていくと、次の一機が、また視界の右から現れ、同じように成田への消失点に消えていく。
 次から次へ、絶え間ないこのジェットは、山手線の運行間隔より短いのにちょっとびっくり。
 一方、トンビたちは、大空の中、あいかわらず気ままに飛んでいました。

 で、消失点ですが‥‥
 日頃日常、消失点に出会うことは、まず無い。
 ですが、意識や記憶から何かが消えていく消失点って、自分の中には案外たくさんあるな‥、
 ふとそんなことを、横須賀美術館で思った次第。

【 一夜一話の歩き方 】
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やまなか
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