映画「ブロークン・フラワーズ」 監督:ジム・ジャームッシュ

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 癒えぬ孤独を抱える男の、何するでもない無為な毎日と、一転してロードムービーなお話。

 その男とは、ドン・ジョンストン(ビル・マーレイ)、今もって独身。(昔は、遊び人で色男であったらしい)
 IT企業を立ち上げ大成功(マスコミで知られているようだ)、そしてその後たぶん、この会社の技術が欲しい企業に会社を高額で売ったんだろう、(よく聞く話)
 だから、今後一生の金は十分すぎるくらいにある。悠々自適の極み。
1 (2) しかし今、ドンは何するでもなく、大きな家の薄暗いリビングの、大きなソファで気が抜けたように暇を持て余している。(監督はアメリカの行き過ぎる資本主義を皮肉ってもいる)

 そんななか、結婚を迫る同居の彼女(ジュリー・デルピー)が出て行った。ドンは悲しまない。ただ、彼女に言い添える言葉が見つからない。
 ドンが唯一、心許せる人間は、隣家に住むウィンストンだけのようだ。

 さて、なぜ、ドンは旅に出たのか?
 ある日、何の前触れもなく、ピンク色の封筒の手紙が届く。便箋もピンク。
 差出人はあなたの愛人だったという。息子が19歳になるという。しかし、誰だろう?手紙に名も住所もない謎の手紙。
1 (3) 悪戯だろう、最初はそう思って気にも留めなかったが、しばらくして、19歳なるという息子の存在が気になりだして、隣家のウィンストンに相談した。(なぜ気になるかって? 年取るとそうなるのです)
 話に興味をそそられたウィンストンは、差出人を探す協力を申し出た。ドンは、彼に言われるままに、かつての愛人(5人)の名や記憶にあるその人の住所などを書き連ねたメモをウィンストンに渡した。

 ウィンストンはマメな男。5人の居場所をネットで突き止め、ロードマップやレンタカーの手配までした。(5人のうち1人は死亡していた)
 ここまでされては、ドンは後には引けない。で、背中を押されるようにして旅に出る。昔の女4人を巡るロードムービー。同時に、終始、いるのかいないのか不確かな息子の存在が頭から離れないドンが描かれる。

 随所に、抑制されたユーモアあるシーンがちりばめられている。そして、いつもひょうひょうとして、すっとぼけたドンの表情。気まずい場面もなんのその。そして表情からは読み取れない隠された心境。ここらあたりが見どころ。
 結局、友人思いのウィンストンの仕業か‥どうか。あとは観てのお楽しみ。 

 予告編はこちらから。

 それから、監督の好きなサウンドをお楽しみください。ここからサントラ盤が聴けます。
 サントラ試聴 https://www.amazon.co.jp/Broken-Flowers-Mulatu-Astatke/dp/B0009XT914

オリジナルタイトル:Broken Flowers
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ|アメリカ|2005年|106分|
撮影監督:フレデリック・エルムス|音楽:ムラトゥ・アスタトゥケ|
出演:ドン・ジョンストン(ビル・マーレイ)|ウィンソトン(ジェフリー・ライト)|同居の愛人シェリー(ジュリー・デルピー)|昔の愛人ローラ(シャロン・ストーン)|昔の愛人ドーラ(フランセス・コンロイ)|昔の愛人カルメン(ジェシカ・ラング)|昔の愛人ペニー(ティルダ・スウィントン)|ほか
下1
同居の愛人シェリー(ジュリー・デルピー)が荷造りして出ていく‥。
下2
昔の愛人ローラ(シャロン・ストーン)とはこうなっちゃった、その翌朝。
  o0400026810180451136.jpg
  昔の愛人ドーラ(フランセス・コンロイ)とその夫。
  不動産業を営み大儲け。この家も売り物件。サブプライム住宅ローン危機までもう少し‥
  一瞬、三角関係の風が吹く。

ジェシカ・ラング:カルメン
昔の愛人カルメン(ジェシカ・ラング)
弁護士を廃業し今はアニマル・コミュニケーター
何やら、カルメンの助手の女が2人の会話の邪魔をする
キャプチャ (2)
昔の愛人ペニー(ティルダ・スウィントン)
林の奥の小さな集落にあるあばら家住まい。
泣き出すペニー。ドンは周りの男たちにボコボコにされ、翌朝、意識が戻ると、そこは広大な畑の真ん中だった。
broken-flowers-screenshot.jpg

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旅先のホテルの窓から。

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やまなか
Posted byやまなか