映画「サバイビング・デザイア」 監督:ハル・ハートリー +短編2作「セオリー・オブ・アチーヴメント」,「アンビション」

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 ハル・ハートリー監督の57分の映画。
 文学部の学生ソフィと、講師のジュードとのラブコメディ。あるいは、ソフィ役の女優メアリー・ウォードを愛でる映画。
 
 登場人物が手にした小説随筆の一節を読み上げるセリフと、日常会話のセリフとを馴染ませる演出は、文学部の人々を描く話なので、違和感を感じさせない。よって、監督の狙い通り、書物から引き出された意味ありげな格言ごときが、シーンのあちこちに散らばっている。
 そして、これら格言ごときを天秤の片方に乗せるとすれば、もう片方には素っ気ないラブストーリー。このつり合いの絶妙さが粋で、この映画のみどころ。
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 ソフィの愛の相談相手は、女子寮同室のこの女性。(監督好みのメアリー・ウォードとは対照的な大柄の女優を配役している所に注目)。かたやジュードの相談相手は、神学専攻の落ちこぼれ大学院生のヘンリーだ。この男が狂言回しの役を担う。
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 ジュードがゼミ授業で毎回取り上げるのは「カラマーゾフの兄弟」の特定の一節だけ。だから、ほかの学生は怒るか退出するか無視するかだが、ソフィの目はイキイキ。だって、その一連の一節はソフィへのラブソングなのです。
 ジュード先生の方は夜の街で踊りだす。(1992年作の「シンプルメン」でのダンス同様、ゆる~い異次元のシーンが立ち現れる)
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 で、ふたりは一夜を過ごせたのだが、その後がいけない。目の前の愛や相手を知ろうとする行為と、本から引用する なるほど理想の一節とは余りに違いすぎる、そういう現実の壁に、ソフィもジュードも、ぶち当たって‥。 
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 一方、映画はソフィと対比するように登場させるのは、路上生活の女ホーボー(レベッカ・ネルソン)。ホーボーは道行く男たち誰構わず「結婚して」と言い続ける一直線の無学の女。もちろん、誰も彼女を相手にしないのだが‥。

 この予告編でもう少しお楽しみください。
 予告編 https://www.dailymotion.com/video/xfp55k


オリジナルタイトル:Surviving Desire   
監督・脚本:ハル・ハートリー|アメリカ|1991年|57分|
撮影:マイケル・スピラー|
出演:ジュード(マーティン・ドノバン)|ソフィ(メアリー・ウォード)|博士の学位取得一歩手前の大学院生ヘンリー(マット・マロイ)|路上生活の女ホーボー(レベッカ・ネルソン)|

 続いて、ハル・ハートリー監督の1991年の短編映画を2本。

「セオリー・オブ・アチーヴメント」Theory of Achievement/1991年/18分
 監督・脚本・音楽:ハル・ハートリー
 撮影:マイケル・スピラー|出演:ボブ・ゴッシ、ビル・セイジ、エリナ・レーヴェンソン、ニック・ゴメス|

  予告編 https://www.dailymotion.com/video/x25c4cs

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「アンビション」Ambition/1991年/9分
 監督・脚本・音楽:ハル・ハートリー
 撮影:マイケル・スピラー|キャスト:ジョージ・フィースター、パトリシア・サリヴァン|

  予告編 https://vimeo.com/ondemand/ambition

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これまでに一夜一話で取り上げた監督作品を、ここにまとめています。
ぜひ、ご覧ください。
決めの決め (2)


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やまなか
Posted byやまなか