映画「静かな雨」 監督:中川龍太郎 ~第20回東京フィルメックス2019


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静かな雨 Silent Rain (東京フィルメックス・コンペティション作品)

 繊細な話です。
 映画は、恋の芽生えから、深い愛へと進む話を、「芽生えたかな」の時点で愛への進行を遮断してしまいます。
 それは彼女(こよみ)が事故に会い、過去の記憶はあるのですが、直近の記憶がすぐ消えてしまうからなのです。
 退院後、一人住まいの彼(行助)の家の一室に、こよみを転居させ同居が始まるのですが、こよみは朝、起きると「ここは行助の家?」かと毎回、行助に聞くのです。この無限ループ(反復)に行助は優しく対応するのですが‥。

 こよみの記憶のことですが、ちょっと意地悪くこの映画をみると、あの事は覚えているのに、なぜこの事の記憶は残ってないの?といった突っ込みをつい、してしまいました。
 未読ですが原作は短編小説。とは言え、99分のこの映画以上に、原作はこよみの記憶についての描写(情報量)は多いはず。きっと、映画に描き込まなかったこよみの記憶の描写を勘案すれば納得なのでしょう。

日本 / 2019 / 99分
監督:中川龍太郎|原作:宮下奈都 
出演:仲野太賀(行助)|衛藤美彩(こよみ)

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やまなか
Posted byやまなか