映画「図鑑に載ってない虫」　出演：伊勢谷友介, 松尾スズキ, 菊地凛子　　監督：三木聡

2021年08月18日更新

2020年10月04日公開

邦画評だけを見る

こういう快速ドタバタ・コメディは、監督自ら脚本書かなきゃ、とうてい実現しない映画です。
そして映画に「乗り」を作り出すのが、松尾スズキ。
だから、三木と松尾、この二人がタッグを組んでこそ本領発揮の、映画です。

総じて、大枠のストーリーをもとに、短いサイドストーリーや一瞬芸的シーンが、わんさか、これでもかと、てんこ盛りの目白押し。
こうなると、その場その一瞬、映画が不意打ちに打ってくる素早いジャブ。これが、当たりで笑い、ハズレで苦笑と嬉しい限り。この時点で娯楽映画だ、もう起承転結なんてどうでもいい、と思わせる、いい映画。

ま、とにかく、一度観なきゃ、良さが分からぬ三木ワールド。その、めくるめく世界を楽しんでください。
ただし、好き嫌いハッキリしますが‥。

ある日、「月刊黒い本」の編集長（水野美紀）から、臨死体験を記事にして、と軽く言われた、俺（伊勢谷友介）。

そのためには、まず、「死にモドキ」と呼ばれる謎の昆虫、「図鑑に載ってない虫」を探しだし、これで一度、死になさいと、とりあえず手がかり、くれたのだが‥。

さっそく俺は、成功報酬を匂わせ、悪友のエンドー（松尾スズキ）を誘った。

そのエンドーはどんな野郎かというと‥
例えば、俺とエンドーの奥に見える青いアロハシャツの男、ドアベルの押しボタンに瞬間接着剤を塗った罠にハマっている最中。悪さしたのは当然エンドーだ。
そんで、このアロハの男、通称目玉のおっちゃん（岩松了）は、舎弟のチョロリ（ふせえり）を誘い、結局、俺ら「死にモドキ」を探す旅に加わった。

さらには、右手に歯ブラシ、左に「猿の手」をもった女サヨコ（菊地凛子）も仲間入り。（まるで桃太郎が鬼ヶ島へいくみたい）
しかし、この猿の手、これがのちに、この話の決め手となるのでありました。

さて、この先展開する七転八起、波乱万丈なストーリーは、ここまでにしておきます。書きません。（あほらしくて）
下記の出演者の、なかなかの顔ぶれと、その役名をご覧いただいて、この物語の振幅の幅の広さ、奥行きの不可思議をご想像ください。

ちなみに、本作の予告編映像が見当たらないのが残念です。

監督・脚本：三木聡｜2007年｜104分｜
撮影：小松高志
出演：俺：伊勢谷友介｜エンドー：松尾スズキ｜サヨコ：菊地凛子｜美人編集長：水野美紀｜目玉のおっちゃん：岩松了｜チョロリ：ふせえり｜種田師匠：三谷昇｜モツ煮込み屋の親父：笹野高史｜真島：松重豊｜船長：渡辺裕之｜サヨコの母：高橋惠子｜消防隊員：山崎一｜SMの女王様：片桐はいり｜ワンピースの女：つぐみ｜ホームレスの親父：森下能幸｜半分男：村松利史｜太田刑事：志賀勝｜ツボ師匠：園子温｜中村刑事：田中哲司｜黒幕の男：マメ山田｜黒幕の部下：嶋田久作｜海の家のおばさん：佐々木すみ江｜チュッパチャップスさん：新屋英子｜サヨコのお婆さん：播田美保｜アメリカンドッグ屋の店長：いか八朗｜呼び込み：コハ・ラ・スマート｜宅配便の人：廣川三憲｜番頭：ノゾエ征爾｜冴えないOL：海島雪｜色っぽい写真屋：呉キリコ｜婦人警官：たかみざわはな｜若い半裸の女：高田郁恵｜若い組員：ペ・ジョンミン｜ミンミン：キタノ・ラニー・パギリナン｜老人：菅登未男｜巨大ホームレス：田島大志｜少女時代のサヨコ：清水萌々子｜少年時代のエンドー：吉原拓弥｜