映画「バージンブルース」主演:秋吉久美子 監督:藤田敏八

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大学浪人が決まった18歳まみ(秋吉久美子)の波乱万丈の物語。

まみは、岡山の田舎から はるばる上京し、都内の予備校に真面目に通い始めた。
予備校の女子寮には、同じく浪人生で同県人のちあき(清水里絵)という先輩がいて、仲よくなった。

ちあきは、浪人生活が長いらしい。それでか、寮生たち(女子だけの)集団万引きの頭をやっている。憂さのはけ口、生活費の足し。
まみも、時々誘われて万引きの見張り役をするようになった。スリル満点だ。
ある日、集団万引きに向かう途中、バスに乗り合わせた制服姿の女子高生たちを見て、思わずのこんなセリフがある。
「私たち浪人生は、高校生でもないし大学生でもないしね‥」そんな、世間の何処にも属さない浮遊した孤独な時を過ごしている彼女たち。

こんな、まみ と ちあき の前に、二人の男が現れる。
一人は寮近くのラーメン屋の出前のにいちゃん(高岡健二)
時々、寮に出前に来るが、ある夜、覆面でちあきの部屋に忍び込み盗っ人を働く。が、ちあきはアイツだと勘が働く。

中4
もう一人の男は、43歳の平田(長門裕之)‥‥43歳は監督と同じ年ごろ。
ちあきが以前、どこかのスナックで知り合った男。妻子あり、脱サラして小さなラーメン屋開業、だが資金回収難しく、ほんまに金が無い。妻と幼子を置いて家を出て、世の中どこか、とにかく金のなる木を‥‥の、今や風来坊。

かたや、映画は、集団万引き中に店員にバレ、逃げようとする彼女たちを捕まえる店員たちとの乱闘シーンを映し出す。常習犯なのだ。
しかし辛うじて、まみ と ちあきは逃げおおせた。
逃げおおせたが、このまま寮に帰れば‥警察の手が回っているやもしれぬ。
街をウロウロして夜になる。寝る所が無い。
そこへ、自転車に乗った出前のにいちゃん。「どうした?」「わけは言えない」「じゃ、ウチ来る?超狭いけど」
けっこう抵抗感はあったが、二人は寝床を確保した。
中1

中3
翌日、にいちゃんは、すきっ腹の二人に差し入れのラーメン。
うれしかったが、ここに留まるわけにはいかない。その日、部屋を出た。

また街をうろつくしかない。
そこへ、43歳の平田に再度出会う。
中9

しかし、実は平田も、なにやら帰るところが無い身辺状況。
3人でラブホも思案したが、結局、岡山に帰るお金を貸しての案に、平田が乗って、三人、各駅列車で、いざ岡山へ!
中2


そしてやっと岡山着。平田がまみに気があるのを察して、ちあきは岡山駅で二人と別れた。
薬局をしている実家に帰ったちあきは、すでに警視庁(経由 岡山県警)の手が回っていて、一家は大騒動。
中5

駅前で、ついてくるの?と言われても、ついてくる平田と一緒に、まみの実家(ブドウ農家)に着いたが、ここにも県警からの連絡があったようだ。まみは祖母に会わず、二人はそっと実家を離れ倉敷へ‥。
あとは、観てのお楽しみにしましょう。
この先は、予告編で。
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=kJhA9NQt1uI

★      ★      ★

岡山在住のまみが、なぜ東京の予備校へわざわざ行くのか。女子寮がある!
東京の大学へ行くには東京の予備校なのか?当時、彼の地では、彼女にとって目ぼしい予備校が無かったのだろう。
あの頃の、そののちから予備校業界の興隆期が始まりました。当時、業界で先をゆく駿台の、京都校開校はたしか1971年だった。浪人生の高止まりが続く時代。
それと、ラーメン屋ブーム。とにかく、ラーメン屋が多かった。平田も便乗したかったのだろう。ラーメン屋の発展期。ただしチェーン店展開はその後でした。

中8
監督:藤田敏八|1974年|99分|
脚本:内田栄一|撮影:安藤庄平|
出演:畑まみ(秋吉久美子)|平田洋一郎(長門裕之)|小林ちあき(清水里絵)|ラーメン屋出前持ちの橋本誠(高岡健二)|岡山の秋山正次(林ゆたか)|ラーメン屋の主人(多々良純)|平田の妻(赤座美代子)|ちあきの父(加藤嘉)|ちあきの母(白石奈緒美)|まみの祖母(田中筆子)|平田と目黒エンペラーで時を過ごしたホステス(中島葵)|ジンジン歌う野坂昭如(本人)|ほか
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秋吉久美子が出演の映画です。

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さらば愛しき大地
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バージンブルース
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赤ちょうちん
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旅の重さ
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やまなか
Posted byやまなか