映画「この世に私の居場所なんてない」 監督:メイコン・ブレア

上2

いい映画です。

看護助手として働くルース、独身。
同居の親か祖母が他界したのか、ひとり寂しく住んでいる。
この辺りは、小ぶりな一戸建てが並ぶアメリカの郊外住宅街だが、低所得の白人が主に住む。家々は何処も結構 築年数が古く、ボロ屋に近いのもある。
中1

この映画は、基本、ゆるいクライムサスペンスですが、ほんのりユーモラス、それに、ちょっとグロいシーンを加えスパイスを利かせて、それらを上手にブレンドした作品。そのブレンド具合がGoodなセンス。テンポは快適。
それにエンターテインメント一辺倒じゃない。ルースの境遇、心のあり様に優しく寄り添う丁寧な作りの映画です。
注目はルース役の女優メラニー・リンスキー、まったくの自然体の演技が、なぜか映画全体を牽引します。拍手!

話のとっかかりは、犬の糞でした。
また、善良で気おくれしがちで、こころ優しいルースが、拳銃を構えて豪邸に押し入ることになったキッカケは、自宅に空き巣が入って、祖母の形見の銀食器と、自分のパソコンが盗まれたからでした。

さて、犬の糞とトニー。
ルースの家の前、道路に面した庭に、犬の散歩をさせる近所の男が、犬の糞をそのままにして立ち去って行きます。
これを見つけたルースはその男に文句を言います。これでルースは、トニーという不道徳な男を知りました。
やる気のない刑事。
ある日、ルースの家に空き巣が入り、家の中を荒らされ、形見の銀食器セットとパソコンが盗まれます。
刑事が来て現場検証をして、その後何も言わず去ろうとするのでルースは刑事を止めると、刑事いわく「空き巣も悪いが戸締りしなかったアンタもどうかな」
刑事はこの事件にまったく関心を示しません。自身の離婚問題で頭がいっぱい。
ルースのパソコンの位置情報と犯人の足形。
彼女は気づきました。スマホ画面に、自分のパソコンが今ある位置情報を表示したのです。あ、ここにある!
それと、ルースは庭の塀の下に足跡を発見、石膏で型を取ります。靴の先にテープが巻いてある跡も分かる。証拠は確実。
なのに、それを持ってこの刑事(この人↓)に相談しに行ったのですが、のれんに腕押し。
中4

ルースはどうしても盗られたものを取り返したい。周りに勢いのよさそうな男は‥‥あの犬の糞のトニーだけ。
そこで恐る恐るトニーを訪ねるのですが、彼は筋肉トレーニング中、ヌンチャク使い、忍者を目指す男。
怖かったが、意外にもルースの願いをあっさり承諾、正義感のある男だった。
中2

そしてトニーと一緒にパソコンの位置情報が示す家を訪ね、コワモテの男をやっつけ、パソコンを取り戻す。銀食器は?と訴えると、それは知らないがパソコンは中古屋で買ったと分かった。
中3

そこで二人は中古屋に行き、銀食器を見つけます。ルースは「これはアタシのもんだから」と、そっとレジ前を抜けて持ち逃げしようと‥
その時、ルースは空き巣犯を発見。なぜ分かった?靴先にテープを巻いている。(靴底が剥がれてるんでしょう、ヤツは盗品をここで現金化してるんだ)
あいつが犯人だ!
とルースは大声で叫ぶ。
かたや、中古屋のおやじが、金を払わぬルースを追いかけてくる。このドタバタの中、トニーは立ち去る犯人の車のナンバーをめざとく確認した。
それで、トニーは家に帰り、ネットで車のナンバーから持ち主の住所を探り当てた。(ネットに詳しい)

二人が出向いたその家は、広い庭の豪邸だった。
玄関に立った二人は、意外にもすんなり家に招き入れられた。
玄関に出て来た女は、お茶を出し、その車は息子(養子)の車だと言った。
中5

それを聞いて、例の空き巣犯はこの家の息子だと分かり、二人は家を出た。
その時、二人は気づかなかったが、広い庭の陰に車が一台、車内に2人組の男女と空き巣犯、じっとしていた。

ルースは家に帰ってビール片手にほっと一息ついた。
そろそろ、この辺からサスペンスの雰囲気が出てくるのです‥

ほっとしたのもつかの間、(追って来たのだろう)空き巣犯の男が家に侵入して来た。ルースは傍にあったもので男を一撃。
男は慌てて外へ駆け出し、かわいそうにバスに轢かれてしまう。
それを見ていた仲間の男女はルースを拉致。車はそのまま、さっきの豪邸へ。
そして、ルースに拳銃を持たせ、ドアベルを鳴らせと脅す。ドアの左右には、銃を構えた男女が‥。

さて、ここから、ルースとトニーも巻き込んで、豪邸の主とそのボディーガードとの銃撃シーンが展開します。さらに、それからも大変‥‥
ラストはハッピーエンドか否か?これもお楽しみに。
予告編をどうぞ!
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=a891D5_bGY4

中6


もちろん、アクションシーンは見どころですが、予告編の冒頭にあるように、ルースという女性の人物表現にも注目を。
こんなシーンは他にもあって、ルースがスーパーのレジ前で、他の客が割り込もうとするのを許したり、でも彼女が勢いづいている時は割り込ませなかったりと、さりげなくルースの心情を描写する。
また例えば、強盗の男女の覆面。この覆面のてっぺんにパンダの耳みたいなのがあって可愛くしていて、ああ、この映画は遊んでるなぁ、と。つまり作り手が、いい作品を作ろうとする愛情工夫熱意が伝わってくる。
事ほど左様に、いい作品です。次作も期待したい。

写真
トニー
犬を飼う独身男。準主役
ルースの相棒となる。
忍者修行の成果は最後でル
ースの命を救うのだが‥。
写真
アンジー
近所に住むルースの良き相
談相手。いつも慰めてくれ
る友人。娘が一人いる。
映画ラストでルースと食事
写真
ウイリアム・ベンデックス
刑事だがルースの証言証拠
を取り合おうとしない。自
身の離婚問題で悩んでいて
ルースにそのことを訴える。
写真
クリスチャン・ルマック
空き巣常習犯。ルースの家
も実行。豪邸のルマック家
の養子。盗品現金化のため
中古屋に通う。事故死する
写真
マーシャル
ルマック家強盗計画のボス。
空き巣で得た金で闇の組織
から銃器を買う。最後は森
の池で悲惨な死を迎える。
写真
デズ
マーシャルの手下。美人だ
が凶暴。覆面がかわいい。
ルースに向けた銃が暴発し
自分の手先を吹っ飛ばす。
写真
中古屋のオヤジ
盗品を買い入れる。この辺
りじゃ老舗。金を払わず銀
食器を持って逃げるルース
の指をへし折る。
写真
メレディス・ルマック
ちょっとイカれた後妻。豪
邸で寂しく一人。だからか
ルース達を招き入れ話相
手に。
写真
クリス・ルマック
ルマックの主。職業不詳。
常にボディーガード同伴。
強盗に手先を吹き飛ばされ
る。ボディーガードは即死。
写真
ヨナ
アンジーの娘。
ルースを慰めるため描いた
絵をプレゼント。


原題:I Don't Feel at Home in This World Anymore
監督・脚本:メイコン・ブレア|アメリカ|2017年|93分|
撮影:ラーキン・サイプル|
出演:ルース・キムケ(メラニー・リンスキー)|ルースの相棒となるトニー(イライジャ・ウッド)|強盗のボスのマーシャル(デヴィッド・ヨウ)|その手下の女デズ(ジェーン・レヴィ)|空き巣犯クリスチャン・ルマック(デヴォン・グレイ)|豪邸の後妻メレディス・ルマック(クリスティン・ウッズ)|豪邸の主クリス・ルマック(ロバート・ロングストリート)|刑事ウイリアム・ベンデックス(ゲイリー・アンソニー・ウィリアムズ)|ルースの友達アンジー(リー・エディ)|ボディーガードのセザール(ジェイソン・マヌエル・オラザバル)|アンジーの夫ダン(マット・オルデュナ)|アンジーの娘ヨナ(ミシェル・モレノ)|

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やまなか
Posted byやまなか