映画「メランコリック」(2018) 監督:田中征爾

上

いい映画です。
猫実〇丁目にある銭湯の話です。
この映画、プロットが強力で、これが頭に浮かんだ時点で、映画はもう、ほぼ完成したようなもの‥、だったんじゃないだろうか。
次に、主人公の恋人役に吉田芽吹を選んだことが大成功で、話に味が出て、サイドストーリーがサイドに終わらず物語全体が豊かになった印象。
また無口な主人公の人物描写も、吉田芽吹との会話の中でうまく描かれています。
この映画の監督はなかなかのストーリーテラーです。次作を楽しみにしたい。

中4ストーリーはクライムサスペンスですが、コメディなパウダーが振りかけてあって、総じてライトな作りになっています。
主人公の和彦30歳は東大卒なのに、卒業後ずっとアルバイト人生。
たま~に行く近所の銭湯でアルバイトを始めた。ここから話が立ち上がります。

和彦はいつの頃からかメランコリック、内にこもって、ウツかもしれない。無口。親とも話したがらない。
両親はごくごく普通の家なのですが、親は一人っ子の和彦を腫れ物に触るような扱い、というより、当たらず触らずに近い。
ま、しかし銭湯の仕事は無口でもできる。
中1

さて、ここから映画は二つの話を始めます。

アルバイトが休みの日の夜遅く、和彦が銭湯の横を通りかかった時、浴室の明かりがついているのが気になって、そっとボイラー室から覗いたら‥
ひとつの話は、こうして始まる。そしてこのあと、さらに大きく展開していく、これがメインストーリー。
中2


もうひとつの話は、高校の同窓、百合(吉田芽吹)と出会った話。
中3


本作は、「話の筋」がとても肝なので、あらすじは言いません。ハッピーエンドです。
つたない愛と、男の友情と絆を雄弁に描きます。
殺しのシーンはありますが、死体を運んでボイラーで焼く過程は見せません。

予告編です
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=aLOipzXXyNI&feature=youtu.be

写真
和彦
東大卒30歳、無口なフリー
ター。百合に同窓会に誘わ
れ恋心を抱く。銭湯の同僚
松本と友情を結ぶ。彼の本
職を知るが意外にも‥
写真
百合
和彦に偶然再会。シンパシ
ーを感じたのか割と積極的。
百合は銭湯に時折来るわけ
があった。それは‥
この女優吉田芽吹が光る!
写真
松本
本職はヤクザから外注され
るフリーの殺し屋。銭湯に
雇われ裏の仕事担当。表向
きは穏やか。和彦と何故か
馬が合う。いい俳優。
写真
銭湯のあるじ
田中に多額の借金。返済免
除の見返りに夜は殺人と処
理の場に。穏やかな男だが
場慣れして平然。殺人は松
本、あと処理と番台は和彦。
写真
ヤクザの田中
銭湯に殺人の日程を示し指
示。片や借金返済をちらつ
かせ、あるじの心を自由に
繰る男。案件は次々に‥
写真
アンジェラ
田中の愛人。
ラストに、松本といい関係
になる、ということは田中
は‥

松本の前任者がこの男。
こいつが、番台と裏仕事を、ひとりでこなしていたので、あるじは番台のアルバイトを募集した。
さらに、この男を田中が引き抜いたので、後任に松本がこの銭湯に就職した。そんなワケがあった。
そして、この男が、物語を進める第二弾の引き金を引くことになります。
中5

とにかく、和彦は、銭湯の裏仕事を知ってしまった。
知ってしまったからには‥と、あるじは守秘義務を強要したのち、和彦に番台に加えて、あと処理もやるかと‥。バイト代が跳ね上がった。
中6

終い湯に浸かりながら、和彦と松本は自己紹介。「東大出なんだって‥」
中7


公式サイトhttps://www.uplink.co.jp/melancholic/
監督・脚本:田中征爾|2018年|114分|
プロデュース:皆川暢二|撮影:高橋亮|
出演:鍋岡和彦(皆川暢二)|松本晃(磯崎義知)|副島百合(吉田芽吹)|銭湯のあるじ東則雄(羽田真)|ヤクザの田中敬三(矢田政伸)|松本の前任者・小寺雅人(浜谷康幸)|和彦の父・鍋岡修一(山下ケイジ)|和彦の母・鍋岡惠子(新海ひろ子)|田村幹久(大久保裕太)|アンジェラ・イェン(ステファニー・アリエン)|関根(蒲池貴範)|
中8


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やまなか
Posted byやまなか