映画「私のちいさなお葬式」(ロシア) 監督:ウラジーミル・コット

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ロシアの小さな村のお話。
コメディです。
ただし、ハッピーエンドと言えるかどうか‥。
ここが本作のテーマとなっています。

見どころは、なんといっても、このエレーナ73歳の、愛くるしい目。とても印象的。
演じる女優マリーナ・ネヨーロワは、セリフよりも、このひょうきんで、つぶらな瞳で演技します。
中1

エレーナはこの村で長年、学校の先生をしていましたが、定年後、もうだいぶ月日が過ぎました。
夫は年上で、結婚のとき、親に相当反対されました。でも、いい男だったので村の娘たち(今となっては、おばあちゃん達)からは注目の的でした。その後一人息子が生まれ、家族3人、幸せな日々でした。そしていつしか、息子は一人立ちし、夫に先立たれた今、エレーナは一人暮らしです。
でもエレーナは寂しくはありません。近隣に親しい人達がいますし、先生をしていたので、村中あちこちにたくさんの教え子がいます。今でも先生、先生と呼んでくれます。

さあ、そんなある日、エレーナに一大事件が起きます。
教え子の医者がエレーナ先生に、診断の結果を言い始めるのですが‥、そう、彼は小さい頃から大変に優しい男の子でしたから、医師として、辛い結果を言わざるを得ないこの場面で、ぼそぼそと、わざと専門用語を並べて遠回しに言い始めます‥

「心筋虚血と発作性心室頻拍の兆候があって‥、心拍数の乱れがあり心悸亢進です」
「よって、血行動態の悪化だけでなく、不整脈や心室細動を起こす原因になります」(しばらく沈黙)
「その結果‥、心室の動きが停止し‥、血流が止まる。その時すぐに処置しないと、収縮機能不全つまり、心停止します」(沈黙)
教え子を見つめながら、ここまで、じっと聞いていたエレーナは、「いつ起きるの?」 先生「いつ起きてもおかしくありません」

でもエレーナは気丈な女性。
教え子から死の宣告を告げられて、真っ先に彼女の頭を過ったのは、終活。
人生の最期を迎えるためのいろいろな準備を始めようと。やれることは全て自分でしてしまおう。急がなくては!
なぜなら、多忙な息子のオレクに迷惑かけちゃいけいない。オレクは遠くの都会でビジネスエリート。多忙でここ5年、一度も帰省してません。
中2実はこの間、電話もよこさずの有様で、母子の関係が不仲にみえるのですが、それはオレクの方に問題があるのです。
それでも、エレーナは、大のプラス思考、いつも穏やかに息子を愛しています。(いささか、子供扱いの様ですが、子離れはしている)

さて、そんなエレーナの終活とは? あとは観てのお楽しみ。
隣家の友人リューダや、教え子たち、そして1匹の鯉が活躍します。(原題は解凍した鯉)

予告編です。
女性層への受け狙いが、過度です
予告編 決め
https://osoushiki.espace-sarou.com/

別バージンの予告編
こちらは女性層に、おもねていません。上記とはまったく印象が違う。
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=Kf-t4qk4Z9M
中3


原題:Karp otmorozhennyy|Thawed Carp|(解凍した鯉)
監督:ウラジーミル・コット|ロシア|2017年|100分|
脚本:ドミトリー・ランチヒン|撮影:ミヘイル・アグラノビチ|
出演:エレーナ(マリーナ・ネヨーロワ)|エレーナの息子オレク(エヴゲーニー・ミローノフ)|エレーナの隣人リューダ(アリーサ・フレインドリフ)|役所の女性職員(ナタリヤ・スルコワ)|教え子で検死医セルゲイ(セルゲイ・プスケパリス)|隣人リューダの息子パーシャ(アントン・シピニコフ)|教え子で雑貨屋のスヴェータ(タチアナ・トゥゾワ)|エレーナの息子オレクの恋人だったナターシャ(オリガ・コジェヴニコワ)|そのナターシャの連れ合い?ワレーラ(アルチョーム・レシチク)|ほか

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Posted byやまなか