映画「アンジェラ」　監督：リュック・ベッソン

2022年05月17日更新

2021年07月03日公開

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パリを流れるセーヌ川。
この河畔で始まる奇妙な片思い、そしてそれは堕天使との愛へと結実し、パリの空へと舞い上がるのです。
アンドレを演ずる男優ジャメル・ドゥブーズに拍手！

自称、南米で事業を営んでいると言うアンドレ28歳モテない独身は、パリでイケない所から多額の借金を背負う。
その返済期限は過ぎていて、エッフェル塔の上で強烈に催促され、今にも落とされそうになり、身の危険を充分味わう。

だが今から金の工面なんか、できっこない。殺されるのは時間の問題であった。
アンドレは、あてなく呆然と街をうろつき、命を守るため警察署に逃げ込んで牢屋に入れてくれとせがむが、路上に叩き出される。
思いつめるアンドレの行先は橋の上。
いざ、セーヌ川へ飛び込もうとして‥

ふと、左を見ると、金髪の女が、今しもセーヌに飛び込もうとしている。

次の瞬間、女が飛び込んだ。そして反射的にアンドレも飛び込む。泳げないのに。女を助けようと。
それが、謎の女アンジェラ（Angel-A）との出会いであった。

そのシーンから始まる予告編です

https://www.youtube.com/watch?v=uwfPiPcN9Bw/

いかにも冴えないアンドレ。でも彼の心の純粋さをアンジェラは知っていた。
なぜ、アンジェラは他人の心の内が見えるのか？

アンジェラは自分は天使だと言う。それを冗談と受け止めるアンドレ。しかしアンジェラが、彼の目の前で手品じゃない不思議をして見せ、アンドレは驚く。
アンジェラは「アンドレあんたのために地上へ降りて来たのよ」と言う。

アンドレを勇気づけるアンジェラ、
カウンセリングのようなシーンです

https://www.youtube.com/watch?v=K-IFD1idAPY/

とうに自分を捨てているアンドレ。その彼を立ち直らせようと、アンジェラは懸命に彼を鼓舞する。それと同時に、ヤクザに返済迫られ窮地に立つ彼を、天使の力で助けるのです。いや、天使の職域を超え、まるで悪女か魔女かのように、ヤクザのボスを脅したり、アンジェラに群がる男たちから、返済のための金を巻き上げる。アンドレを脅すヤクザの下っ端なんか、あっと言う間の一撃で打ちのめす。

アンジェラは、アンドレよりずっと背は高いが、なかなかの美人。おのずとアンドレの中に恋心が芽生え始める。でも彼には、アンジェラは天使の仕事で自分に付き添っていると感じているし、自分のような冴えない男、ましてや殺されるのを待つしかない男を好きになる女はいないと思っている。
かたやアンジェラは天使が持ってはいけない女心をひた隠ししつつ、アンドレの心の綺麗さに惚れてるのだ。だからこそ、アンドレのため、天使にあるまじき悪事も辞さない。
そしてこの二人の心模様は、その先の、つまり2度目のセーヌ川飛び込み（実は墜落）の話へと展開していくのです。
映画は、このあたりの微妙な描写を繊細に描きだします。