映画「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」(2020) 監督：キャシー・ヤン

この映画は、キャシー・ヤンという中国生まれの女性監督が、アメコミ・スーパーヒーローをアクションコメディに仕立てた映画です。
見どころは　男性監督が撮った前作「スーサイド・スクワッド」（2016）と比べると歴然と違う世界観があるところ。
「スーサイド・スクワッド」は、このジャンルによくある定型的な男性向け映画でした。つまり盛りだくさんな銃器武器に戦闘殺人破壊をぎっしりと詰め込んでいる映画。

では本作は？
総じていえば、女たちが敵の男たちをやっつける話。
前作の派生作品（スピンオフ）であることの自由さが全開です。

主役はハーレイ・クイン演じる女優マーゴット・ロビー。（彼女は「スーサイド・スクワッド」にも同役で出演していた）

さて物語ですが‥、その前に前作の話から始めます。スーパーマンの死から数ヶ月後の世界を描いた前作に登場するハーレイ・クインは、はじめ精神科医でした。
けれどジョーカーと出会い、なんと恋仲になって、彼女は悪の世界に染まり “スーパーな女”へと覚醒しました。
そして本作では、ハーレイ・クインはジョーカーとの関係が破綻し悲しんでいるところから始まります。
しかし悲しんではいられません。今までジョーカーの七光りのもとで安心して暴れていた彼女は、今、そのしっぺ返し、彼女に散々やられて恨みある悪者たちから狙われはじめます。

一方、映画は4人の女を登場させます。上司の男に手柄を横取りされ続けるゴッサム市警のベテラン女刑事。少女の頃に悪者に家族を殺され復讐を誓いクロスボウ（ボーガンあるいは洋弓銃）の達人となったクロスボウ・キラーと呼ばれる女、バーの歌手ですが雇い主の悪ボスに対し正義を貫き始めた格闘術に長けた女、そして孤児でスリ常習犯のアジア系少女。この子がある問題を起こして話はややこしくなっていきます。
ちなみにハーレイ・クインが手にするのは、一見ライフルのようですが不思議なキラキラ銃※やバットなど殺人武器ではありません。
あとは観てのお楽しみ！　気晴らしにどうぞ。

予告編

https://www.youtube.com/watch?v=4pOqcoVcGtY

もう少し知りたい方へ予告編その2

https://www.youtube.com/watch?v=kGM4uYZzfu0

※これは本作を、前作のような、マジな銃器武器に戦闘殺人破壊といった映画にしたくない、キャシー・ヤン監督の意思だろう。同様な意思の映画に、フランス映画「エディとコークマン 〜バッドトリップ・イン・パリ〜」(2021)があった。（タップして記事ページへどうぞ）

蛇足ですが‥「スーサイド・スクワッド」の予告編です。

登場人物中、一番目立つのはハーレイ・クインでした。

https://www.youtube.com/watch?v=CmRih_VtVAs

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原題：Birds of Prey: And the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn
監督：キャシー・ヤン｜アメリカ｜2020年｜109分｜
脚本：クリスティーナ・ホドソン｜撮影：マシュー・リバティーク｜
出演：ハーレイ・クイン（マーゴット・ロビー）｜クロスボウ・キラーと呼ばれるヘレナ・バーティネリ / ハントレス（メアリー・エリザベス・ウィンステッド）｜バーの歌姫ダイナ・ランス / ブラックキャナリー（ジャーニー・スモレット＝ベル）｜ゴッサム市警の刑事レニー・モントーヤ（ロージー・ペレス）｜スリの常習犯の少女カサンドラ・ケイン（エラ・ジェイ・バスコ）｜ほか

▲ハーレイ・クインは少女の面倒をみます。▼このサンドが大好物らしいが、食べようとしたら、ワルな男の襲撃で‥。

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