映画「アメリカの影」(1959)  監督:ジョン・カサヴェテス

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1959年のニューヨーク、マンハッタンの街で、過ぎゆく時を追わない男女の群像劇。監督の第1作。
話の中心にいるのは、このレリア、二十歳か。
中1

これが兄のヒュー。
ヒューは、これから仕事で、レリアは駅まで来て、お見送り。
中2

ヒューは歌手。
ナイトクラブの歌手。そのボーカルスタイルは、一昔前の(1950年代初期の)、ゆったりした、少しジャズ風味のシティ・ブルース系のボーカル。売れない。
今の流行りは、もっとアップテンポの、ずっと現代的なリズム&ブルース。
だからステージで一曲歌ったあとは、ダンス&お歌の女性チームの司会をやらされる。

一緒にいるのは、ヒューの専属マネージャーのルパート。
ヒューとは、もはや腐れ縁だが、しばしば言い争いもやる。
ヒューはすぐカッとなるし、レリアは美人だがまだ、どことなく幼い。だから、3人の中では、ルパートが一番、大人。
ルパートは、ヒュー、レリア兄妹の友達とも顔なじみだ。
中3

レリアは顔見知りが多い。
彼ら彼女らは、流行りに敏感で風来坊な、マンハッタンが地場の若者たち。彼らなりの社交界。
そのなかでレリアは人気者で、言い寄る男は幾人もいる。
中4

そして、次男のベンがいる。
ヒュー、レリアとベンは、3兄妹。
ベンだけが、内向的性格。
兄弟妹3人の生活は、ヒューの稼ぎでなりたっている。
中5

ベンの友達はヤンキー。
ベンは、友達と、いつもマンハッタンのどこかで、たむろっている。無為な日々。(右から2人目がベン)
彼らは毎晩、店で男を待ちながら、だべっている女の子を漁る。時に女の子を巡ってほかのヤンキーたちと争う。
レリアも同席することも多いけど、反りがちょっと合わない。でも彼らの中でレリアに想いを寄せる男もいる。
中6

ベンとその仲間たちの様子を観れます。
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=oCXgrBYyXs8/

レリアは、一見、白人に見える。
彼女の顔見知り仲間では、それを知ってる人、知らない人がいる。
そんな仲間うちで、レリアにトニーという彼氏ができた。
互いに愛し合い、一緒に住もうかという段階。
そんなある日、ふたりがレリアの家にいると、そこへ突然、兄のヒューが帰宅。
驚くふたり。
ヒューは、妹が白人と付き合うことを断固拒否。
トニーは、ヒューがレリアの兄と知り、この時、レリアが黒人と知った。
しかし、トニーのレリアへの愛は変わらなかった。
中8

このあとの展開は、映画をご覧ください。

予告編のような映像
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=VZx-I0wJ_8s


総じて、話は主に、レリアとベンの様子に注視して描かれています。
シーンの背景に流れるチャールズ・ミンガスのベース・ソロが、雰囲気を出していて、いい。これが本作の背骨と言ってもいい。
また、撮影は「写真」を充分に熟知した人の映像ですね、いいな!
ちなみに、イエローキャブ。ニューヨークのタクシーが、その車体を黄色に塗装することを義務付けられたのは、1967年以降らしい。
「アメリカの影」のような都会的センスを持つ作品が、当時の日本映画にないかなと、ふと思った。
そこで、私のブログ掲載の中から探すと、意外にも1961年、石井輝男監督の「セクシー地帯」だ。話の舞台は東京都心。ゲリラ的なロケ撮影の手法は、撮りたての新鮮さを今も失っていません。
それと、舞台は熱海だが、1962年作、ドナルド・リチー監督の「熱海ブルース」。この感覚が、当時の邦画にない、都会的なドライな男女を描く作。
ついで、1966年になってしまうが、降旗康男監督の新宿を舞台の「非行少女ヨーコ」。ジャズが流れる店で踊る緑魔子たち。でも、これはちょっと違うな。


原題:Shadows
監督・脚本:ジョン・カサヴェテス|アメリカ|1959年|82分|
撮影:エリック・コルマー|音楽:チャールズ・ミンガス|製作協力:シーモア・カッセル|
出演:レリア(レリア・ゴルドーニ)|ヒュー(ヒュー・ハード)|ベン(ベン・カルーザス)|トニー(アンソニー・レイ)|ほか
中7
1959年、マンハッタンの街を漂う次男のベン

中9
レリアとベン


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やまなか
Posted byやまなか