タイムスリップ、パリふれあい街歩き。 映画「パリのナジャ」・「ダゲール街の人々」



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タイムスリップ、パリふれあい街歩き。
今回は、エリック・ロメールの「パリのナジャ」と、アニエス・ヴァルダの「ダゲール街の人々」を並べて観た。
「パリのナジャ」は、アメリカ人の女の子の視点を借りて、パリを紹介するドキュメンタリーの短編14分。
「ダゲール街の人々」は、アニエス・ヴァルダ監督自身が住んでいたモンパルナス界隈で商いする人たちを見つめたドキュメンタリー作品。尺79分。


パリのナジャ Nadja a Paris 1964
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「パリのナジャ」のナジャは、パリにいる外国人留学生。
ベオグラード出身で、その後アメリカに帰化してアメリカ人、今パリで青春している女の子。

住んでるところは、国際大学都市の中にあるドイツ館という学生寮。各国の学生が集まっている。
国際大学都市とは、留学生のためにパリ14区に創られた学生寮群で、敷地面積は34ヘクタール。東京ドームが7個以上ある緑豊かな広い敷地に37棟の寮が建ち並ぶ。(詳しくはhttps://www.ciup.fr/
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ナジャが通う学校は、メトロに乗って5分ほどの学生街にある。(上の画像が通学途中メトロの駅プラットホーム)
東京で言えば、東京メトロ丸の内線、後楽園駅から乗車数分の御茶ノ水駅下車の駿河台という距離感。駿河台は、日本のカルチエ・ラタンとも呼ばれる学生街。

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続いて映画は、ナジャが行くところを追いかける。(以下ナレーション要約)
様々な人種がカフェにいるサンジェルマン。カフェ・ド・フロールはここにある。
マンモンパルナスの夜では、画家・作家といった大人の自由人と交流するナジャ、大学生の女の子でも一個性として扱ってもらえる。
ここでエリック・ロメール監督のこだわりか、彼女のアート認識について、こんなナレーションがつく。
「私はピカソの青の時代で(関心が)止まっている。この界隈で出会った画家・作家から現代美術を教わった。ただし私はすぐには影響はされない。自分に合うものを探求する」
そんなナレーションを流しながら、現代美術展を観るナジャを映し出す。

そして「時には知識人の狭い世界の外に出る必要を感じる」と言うナレーションで、ナジャはパリ20区にある移民街ベルヴィル近辺を歩く。パリでは軽んじられるエリア。でも、ここの朝市は賑わう。
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街の立ち飲み屋で見知らぬ隣の男と会話する。安い赤ワイン、タバコ、たむろする街の男たち、仲間になれた気分。
ここは、世間で知られるフランスじゃない、素朴で独特なこの世界。あらゆる建前から離れることができる。

それぞれの街で違う空気。パリには多様性がある。いろんな世界を体験できる。
私は思う。パリを発見する以上に自分について知るきっかけ。住み続ける気はないが決して忘れない。この体験は貴重だ。
人生の大切なこの時期、私は他人の影響から離れ、人格形成している最中なのだと思う。。
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NHK「世界ふれあい街歩き」も、夕暮れで終わる。

先日に掲載したエリック・ロメール監督の「ある現代の女子学生」も、女子学生を取り上げているけれど、あの映画は良妻賢母型の学生像を描いています。たぶんTV番組向けの製作だから、その枠に沿ったのでしょうね。

監督:エリック・ロメール|フランス|1964年|14分|
撮影:ネストール・アルメンドロス


ダゲール街の人々 Daguerreotypes 1975
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ここは、パリ14区、モンパルナスの一角にあるダゲール通り。
この通りは、化粧品店、肉屋、パン屋、美容院、時計屋、カフェ、自動車教習所(狭い教室だけ)やらが雑多に軒を並べている下町。
製作年は1975年だが、当時の感覚としても時代の波に取り残された感がいなめない通り、まるで1960年代以前のよう。
アニエス・ヴァルダは、1950年代からこの界隈に住んでいた(らしい)。
街のドキュメンタリー映画は往往にして、その街のよそ者たちがつくるものだが、「ダゲール街の人々」はそうじゃない。住む人のこころの表情がみえる。ここが魅力。
なにしろ町内のことだから、大概は知っている。店の臭い、店主、その奥さん、その店の常連客、みんな顔なじみ。アニエス・ヴァルダは「ダゲール街の人々」の気質を知っているし、愛している。
だから例えば、多作なドキュメンタリー映画監督のフレデリック・ワイズマンの作品の対極にあるような作品。そして文学的。

店主たちは、パリ郊外や地方の農家出身者。戦前や終戦後に、パリで店を持つ夢を抱き、上京。奉公人としての務めからスタートした人も多そう。出身地の香りを残しながらも、今やみんなパリの人。

予告編だよ
お店の人たちが登場します。
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=5iaIge_aVHk

予告編 その2
映画冒頭と、お店の商品、ショーウインドーはこんなだよ
予告編 決め
https://www.facebook.com/squarelogan/videos/agnes-varda-daguerreotypes-trailer/323273365036868/

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中7


原題:Daguerreotypes
監督:アニエス・ヴァルダ|西ドイツ・フランス|1975年|79分|
撮影:ウィリアム・ルプチャンスキー、ヌーリス・アビブ|

アニエス・ヴァルダ監督の映画
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5時から7時までのクレオ
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幸福
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ラ・ポワント・クールト
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ダゲール街の人々


エリック・ロメール監督の映画
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緑の光線
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レネットとミラベル
      四つの冒険
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モンフォーコンの農婦
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パリのナジャ
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ある現代の女子学生


【 一夜一話の歩き方 】
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やまなか
Posted byやまなか