映画「アジアの天使」 (2021) 監督:石井裕也
2022年04月14日 公開
全編、韓国ロケの日韓合作作品。
登場人物は、こんな。
デビュー作以降パッとしない小説家の青木剛(池松壮亮)と、一人息子の学(まなぶ)、それに剛の兄の青木透(オダギリジョー)。
かたや、かつてはアイドル歌手だったチェ・ソル(チェ・ヒソ)、その兄チェ・ジョンウと、妹のチェ・ポム。
さあ、どんな話が始まりますか。
剛と学の父子が、兄の透を頼って、身ひとつで日本からソウルにやって来た。
それまで住んでいた所を引き払って来たらしい。なぜ?
剛の小説執筆がうまくいかず、どうにも生活に困って、ソウルにいる兄を頼って彼の仕事を手伝うことになったようです。
ところが、ソウルに着いて剛が知った事。兄の商売はなんと密輸で化粧品を扱う商売。兄は大丈夫、大丈夫という。
剛は話が違うと、驚き怒るが、日本での生活を捨てここに来てしまったからには、もう他の選択肢はない。
しかしだ、剛は改めて知らされた、兄のこのいい加減な性格、その場しのぎの風来坊的行動は昔から変わりようがなかった。ああ後悔、先に立たず、だ。腹を括った。
それにしても、剛はなぜにシングルファーザーか? それはですね、愛しの妻は息子を残して30歳の若さで世を去ったのです、がんでした。
この映画のメインテーマは、そんな剛が、ある日、ひとりで泣いているチェ・ソルを見かけたことで始まるラブストーリーなのですが、その展開は遅々として進まず、最後まで観客をじらせます。
さて、チェ・ソルのこと。
もとはアイドル歌手でしたが、その後人気を落とし、今はショッピングセンターのステージで歌っている。
事務所の社長とはアイドル時代以来の関係だが、社長はもう彼女に商品価値を見出せず、だが腐れ縁。
ある日、クビと知って独り呑んでいるところを、剛に見られた。
そんな最中のチェ・ソルは、兄と妹の3人で母親の墓参りに、列車でソウルを離れる。母親は若くして亡くなったらしい。
一方、剛は兄の先導で息子と一緒に、列車でソウルを離れた。新たなビジネスのネタ探しの、海への旅であった。
さあ、あとは観てのお楽しみだ。
で、予告編だよ
https://asia-tenshi.jp/
監督・脚本:石井裕也|2021年|128分|
撮影監督:キム・ジョンソン
出演:青木剛(池松壮亮)|チェ・ソル(チェ・ヒソ)|青木透(オダギリジョー)|チェ・ジョンウ(キム・ミンジェ)|
チェ・ポム(キム・イェウン)|青木学(佐藤凌)|天使(芹澤興人)|ほか
左端がチェ・ソルの妹ポム、荷台にいるのが剛の兄の透、右端がチェ・ソルの兄ジョンウ。コイツがいい加減な男でこんなボロトラックに乗るハメになった。
石井裕也 監督の映画
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