「ゼロ」から這い上がって大金持ちになった男たち。 映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」・「ギャングスター・ロード2」

上

今回は、2013年製作のアメリカ映画と、2022年製作のポーランド映画、この二本立て。

ともに、ゼロから這い上がって金持ちになった男の話です。
そんな上昇気流に乗る男だから、どちらの男も、なにしろモテる。周りの女たちは放って置かない。でも二人とも、女グセが悪い。

ディカプリオ主演の「「ウルフ・オブ・ウォールストリート」が描く世界は、1987年の株式市場の大暴落、あの“ブラックマンデー”直前のニューヨークから始まる、ド派手な株ブローカーの成り上がりの物語。
かたや「ギャングスター・ロード2」は、共産圏時代のポーランドが民主国家へと移り変わる1989年を境にその前後の時代に活躍(?)した、ポーランド犯罪史上に名を残すギャングスターの物語。

その職種は違えど、二人の男は持ち前の才覚で「ゼロ」から這い上がって大金持ちになる。
しかし右上がりの人生はいつまでも続かない‥。
ちなみに、両主人公とも1980~90年代を生き抜いた実在の人物。そして奇しくも両作品の尺は同じく、179分!
それと、それぞれに出て来る刑事は、なんとも魅力的な主人公に対し、少し心情的になるのです。


ウルフ・オブ・ウォールストリート
The Wolf of Wall Street
上1

公開時のキャッチコピーは「貯金ゼロから年収49億円 ヤバすぎる人生へ、ようこそ。」だったそうです。

実在の人物ジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)は、ウォール街の投資銀行・LFロスチャイルドに入社。
新入りのベルフォートに、仕事のコツのあくどい手ほどきをする上司が、金持ちになりたいベルフォートの野望に火をつけた。
口上手なベルフォートは大いに働く。(カモになりそうな客に、儲かる株をすすめるのは電話、の時代)
中1

ところが、1987年の“ブラックマンデー”が起きて会社はあっさり倒産。ここから彼の人生はガラッと変わる。
「ウォール街の狼」と呼ばれたセールスマン、カリスマ的な営業力の持ち主、ジョーダン・ベルフォートを予告編でご覧ください。

予告編をどうぞ
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=U7zD93WdqBY

会社倒産後、店頭株を扱う弱小会社に入ったのち、ベルフォートは汚いガレージのスペースで自分の会社を立ち上げる。
集めた人材はこんな奇妙な連中、株のかの字も知らないが‥。
中2

ベルフォートは天才的な才能を全開させ、こいつら素人を最高の株ブローカーに育て上げた。
そして社員は増え、きれいなオフィスに入り、会社は急成長、社員の給料も上がっていく。
オフィスではマイクで社員を鼓舞し
中3

休日のある日は、まるでホテルのようなベルフォートの大邸宅で、社員を招いた大パーティ。
ここでもベルフォートはマイクで吠える。
中4

目標達成すれば、オフィスは乱痴気パーティー会場と化す。
中6

しかし右上がりの人生はいつまでも続かない‥。FBIが目をつけ始め、捜査はスイス銀行へも‥。
あとは観てのお楽しみ。
ちなみに、ベルフォートの最初の妻テレサがベルフォートに言う、何という事ない一言が、実に示唆に富む発言で、ベルフォートのビジネスの大ヒントになるのです。そんなシーンもお見逃しなく。

監督:マーティン・スコセッシ|アメリカ|2013年|179分|
原作ジョーダン・ベルフォート: 回想録ウォール街狂乱日記 - 狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生|脚本:テレンス・ウィンター|撮影:ロドリゴ・プリエト|
出演:ジョーダン・ベルフォート( レオナルド・ディカプリオ)|ジョーダンの妻ナオミ・ベルフォート(マーゴット・ロビー)|ジョーダンの元妻テレサ・ペトリロ(クリスティン・ミリオティ)|ベルフォート設立会社の副社長・創立メンバーのドニー・アゾフ(ジョナ・ヒル)|創立メンバーのニッキー・コスコフ‥ラグラット(P・J・バーン)|創立メンバーのチェスター・ミン(ケネス・チョイ)|創立メンバーのロビー・ファインバーグ‥ピンヘッド(ブライアン・サッカ)|ロスチャイルド社時代のベルフォートの上司マーク・ハンナ(マシュー・マコノヒー)|ほか多数


ギャングスター・ロード2
K POKOCHALAM GANGSTERA
HOW I FELL IN LOVE WITH A GANGSTER
上2

こちらはポーランド映画。話は共産圏時代から始まる。
本作は、上の「ウルフ・オブ・ウォールストリート」と同じく1980-90年代を中心に描く映画ですが、なにせニューヨークと、まだ共産圏のポーランドじゃ、経済の土台がまったく違う。やはり、そんなに住む世界が違ってたんだというところも注目。
とにかく、実在のギャング、ニコデム・"ニコシュ"・スコトルチャックの華々しい成功と没落の話です。

まずは先に予告編をどうぞ。
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」と比べ地味です。ゼロから這い上がりの、そのスタート位置の低さや、当時のポーランド国情を察して観てみてください。
予告編をどうぞ
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=si62hnUQpPY

主人公ニコシュは、共産主義国家が成立して間もなくの1954年にポーランドのグダニスクで生まれた。
そしてニコシュが活き活きした若さの舞台となった時代は、国の経済は停滞がちで政治も人心も揺れ動いていた。
そんななか、ニコシュは、仲間と路上で警察の目を盗み、闇の両替&両替詐欺ビジネスを始め、成功への軌道に乗り始める。(上の画像がその時の仲間。ニコシュは左から2人目でその3人目が弟)
それから次に、中古車販売を始める。隣国ドイツで目ぼしい車を盗みポーランドで販売。これが大成功し巨万の富を得、そのころから闇の世界でも一目を置かれる存在に至る。
中1

その得た富でニコシュは地元サッカーチームの筆頭スポンサーになりチーム力が倍増し優勝、サッカーファンを大いに喜ばせた。こんなところが、ギャングでありながら世間が彼を愛した一因だろう。
しかし、ポーランド、ドイツ両国の警察が、捜査の手を延ばし始める。さらには、ポーランドが民主国家になる頃から台頭する、冷血なポーランドマフィアが組織的に動き、ニコシュを蹴落とそうとする。
結果、ニコシュの全盛期は1980年代後半からの10年間らしい。44歳でマフィアによって消された。

中2


監督:マチェイ・カヴルスキ|ポーランド|2022年|179分|
脚本:Krzysztof Gureczny、マチェイ・カヴルスキ|撮影:?|
出演:ニコシュ(トマシュ・ヴオソックTomasz Wlosok) |Komo( アントニー・クロリコフスキAntoni Królikowski) |Milena 'Czarna' (アグニェシュカ・グロホフスカAgnieszka Grochowska)| ...more

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Posted byやまなか