映画「それぞれの正義」 (マレーシア2018)  監督:ナム・ロン (旧題:十字路)

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マレーシアの首都クアラルンプールの警察と犯罪者と移民の群像劇。
犯罪アクションを期待するなら退屈する映画。(予告編を観るとアクション映画に思えますが)

ストーリー(1)
主人公は警官のフセイン。正義感が強い男。
フセインの相棒は、年上で家族持ちのハッサン。ハッサンは取り締まるべき相手から、いつものように賄賂を受け取って生活費の足しにしている。
フセインはそれに気づいているが、見てみぬふりをせざるを得ない。そんな警察の現場環境。
中1

ストーリー(2)
スギマンはインドネシアからの移民で、ジョコという一人息子を抱えるシングルファザー。
スギマンにはスミアティという妹がいて、これが仕事場を脱走し母国へ帰りたいと兄に泣きついている。もちろん、雇用主は彼女を追いかけているし、彼女のパスポートは雇用主が持っている。
それでスギマンは自分を雇ってくれているボスに相談し助けを求めた。
中2

ボスは、スギマン含め数人の男を抱え、建築現場の作業を請け負っている男。食事寝泊りは皆、ボスも住む粗末な倉庫のような仮小屋に住んでいる。
スギマンの息子ジョコ少年は、ボスの息子(下記画像)に気に入られ、いろんな話を聞かされ、移民の裏街道を垣間見ている。
彼ら作業員の中には不法滞在者もいて、現場作業中に事故死すると、ジャングルの中で密かに火葬されてしまうこともあるのです。この始末をしたのがボスの息子で、ジョコ少年を連れて行きました。
中3

物語は進むに従い、以上ふたつのストーリーが交わりだし、さらに警官ハッサン以上のワルが署内幹部にいることを語り出す。
フセインは、そんな渦に巻き込まれて行きます。
中4

その中で映画は観客に「それぞれの正義」を、これも正義?というふうに問いかけます。
その「それぞれの正義」は、どのシーンのことを指すの?は、本作の核なので、ここで言わない方がいいでしょう。
ただし、ラストシーンの主人公の何とも言えない無言の表情が、すべてを語ります。これがいい!(上記画像)
予告編をどうぞ。

マレーシアでは、国内製作作品の多くは娯楽映画だそうで、本作のような警察体制批判は検閲を免れないようです。

予告編-1 をどうぞ
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=vmwviu7MkeY

予告編-2
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=lK629U5g13U

予告編-3
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=UZXZek_R_QI

中5

原題:Crossroads:One Two Jaga|One Two Jaga|(旧題:十字路)
監督:ナム・ロン|マレーシア|2018年|85分|
原作:アヤム・ファリッド、アムリ・ロハイェット、ナム・ロン|脚本:ピット・ハニフ、ムハマッド・シャフィク、ナム・ロン|撮影:ヘルミ・ユソフHelmi Yusof|
出演:フセイン(ザヒリル・アジムZahiril Adzim)|ハッサン(ロスディーン・スボーRosdeenSuboh)|スギマン(アリオ・バユ)|スミアティ(アスマラ・アビゲイル)|ジョコ(イズアン・フィトリ)|パク・サリップ(アズマン・ハッサン)|マルズキ(イエディル・プトラ)|リコ(ティモシー・カスティージョ)|アイゼンディ(チュー・キン・ワー)|アディ(アメルル・アフェンディ)|ほか
中6


マレーシア映画をどうぞ。
これまでに取り上げたマレーシア映画です。(2022年6月現在)
最初の2本は、マレーシアの名監督ヤスミン・アフマドの作。
そして「理髪店の娘」はお勧め映画。「アイス・カチャン‥」は恋の味。
「新世界の夜明け」は、マレーシア映画祭2013で観た映画、大阪の新世界が舞台。その他に映画祭で同時上映された数本も、「新世界の夜明け」のページで紹介しています。
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タレンタイム
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ムアラフ
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理髪店の娘
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アイス・カチャンは恋の味
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新世界の夜明け


【 一夜一話の歩き方 】
下記、タップしてお読みください。

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やまなか
Posted byやまなか