映画「トランプの国」 (インド2012)   監督:カーシク・マクハージー(Q)

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大人のファンタジー映画です。(米国の元・大統領の話じゃありません)
インドの、ある地方の王子の冒険物語。
映像はインスタレーション・アートの様です。

なにやら王子は幼い頃から、母である王女や家臣達とともに、遺跡のような宮殿に幽閉されているようだ。
あるいは、見えぬ拘束力が彼らを縛っているのか。王子は唯一の友と宮殿のなかで無意味な日々を過ごしている。
中2

そんなある日、成長した王子は友と共に宮殿を抜け出し旅に出た。
そして、とある海岸に行きつき、そこで、遥か彼方から吹く海風を受け、二人は自由を謳歌した。
中1

それからその後、海近くの砂漠に迷い込む。
そこはトランプカードの国でした。(The Land of Cards)
この国は、男女問わず国民皆兵の武装の国。
睡眠時間以外はいつも武器を手に、常時、軍用ゴーグルをし軍服を着ている国。
軍の規律が、国民の心と生活の隅々までを縛っている国。
そんなことに慣れてしまった国民は、なぜこうしなきゃいけないの、という疑問さえ失せていた。だから、ちょっとした規律違反が即、反逆と見なされる国。
中3


映画はそんな様子をコミカルに描きます。
さて、このトランプカードの領地に迷い込んだ王子とその友は、いかに!‥‥
二人(異物)の侵入は、例えれば、たった一滴の「しずく」の行為でしたが、その波紋は、国民の心の中で、じわじわと広がり始めるのでした。
その最初の現れは、厳格な沈黙の中での、この、一人の笑い声でした。
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予告編をどうぞ
映像中に出て来る現代を映すモノクロシーンは、この王子の話を作っている劇作家の様子です。彼の創作過程の空想が映画になっているという作りです。
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=x2jU5VuVprA

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トランプカードの国の様子を観ていて思う事。
あれは野外劇です。
もし監督が、佐藤信、津野海太郎の「68/71黒色テント」(現・劇団黒テント)や、1960年代から70年代の唐十郎の「状況劇場」、寺山修司の「天井桟敷」の芝居を観たら、感動するのではと思った。
その片鱗は、寺山修司の映画田園に死すで、どうぞ。
ちなみに原作はタゴールらしい。(インドの詩人 、思想家、作曲家でアジア人初のノーベル賞受賞者1861 - 1941)


原題:Tasher Desh/The Land of Cards
監督:カーシク・マクハージーQaushiq Mukherjee|インド|2012年|112分|
脚本:Q(頭文字だけ)|撮影:マニュ・ダコッセ|
出演:Saudagarputro(アヌブラタ・バスAnubrata Basu)|Storyteller / Rajashaheb(ジョイラージ・バッタチャージーJoyraj Bhattacharya)|Rajputro(Soumyak Kanti DeBiswas)|Young Queen(セイヤニ・グプタSayani Gupta)|Horotoni / Widow(リーRii Sen)|Ruiton(イマアード・シャーImaad Shah)|Queen Mother(ティロタマ・ショームTillotama Shome)|ほか多数
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やまなか
Posted byやまなか