やばいブツを密かに運ぶ【運び屋】が主人公の映画。 クリント・イーストウッドの「運び屋」、トム・クルーズの「バリー・シール アメリカをはめた男」

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やばいブツを密かに運ぶ、運び屋という職種の人が出て来る話は多いですね。
今回は、その中から2本をピックアップ。

クリント・イーストウッドが主演・監督の「運び屋」と、トム・クルーズ主演の「バリー・シール アメリカをはめた男」
「運び屋」は、ニューヨークタイムズ紙に掲載された記事「90歳の運び屋」をベースにして出来上がった、味のある作品。
「バリー・シール アメリカをはめた男」は、運び屋にして腕っ利きパイロットのバリー・シールなる実在人物を描く娯楽作品。
どちらの映画にも、アメリカ司法省の麻薬取締局「DEA」が登場します。
そして、札束のシーンがたくさん出てきます。


運び屋 原題:The Mule
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捕まえてみたら、男は90歳で、一人で多量の麻薬を運搬する運び屋だったという話。(実話を基にしている)

この地味な話を、映画にするほどの話にしてみせるのは、主役のクリント・イーストウッドだからこそ。
その運び屋の人柄は、無口で、かつ常時、わが人生を悔いているような様子、まるで渋柿を食った表情ながら、昔は女にモテたであろう風情、時に茶目っ気な様子ながら第二次世界大戦の勇敢な元軍人と、一人の男の多面性を巧く演じている。ここが見どころ。
映画はサスペンス仕立てだが、これを期待する見方で観ると、肩透かしかもしれない。ただし、エンターテインメントです。

退役軍人のアール・ストーン(クリント・イーストウッド)は、ゆりの園芸家で、品種改良に人生をかけた男。農場でゆりの世話をする以外の時間は市場開拓、アメリカ各州の品評会や花卉市場をトラック一台で駆け巡ってきた。
だから妻も娘も顧みず、よって家庭では、でくの坊だった男。
とうの昔に離婚の、独り身の園芸家で人生を送ってきたが、マーケットがインターネットに移ってから、事業が傾き、80歳半ば過ぎて破産。

そんな折に運び屋の話に出会った。
メキシコの犯罪組織がアメリカに持ち込んだ多量の麻薬を、アメリカ国内の次の地点に運ぶだけの仕事。
園芸ビジネスで、国内を縦横無尽に走って来た男にとっては、実に楽な仕事だったが‥。
そして、アール・ストーンは別れた家族とどう向き合うことになるのか‥。
あとは観てのお楽しみ。

予告編は残念ながら、見当違いな内容ですが‥。
予告編をどうぞ
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=MFvM7wcCuk4

ちなみに、娘アイリス役の女優アリソン・イーストウッドは、クリント・イーストウッドの実の娘。
ちょっと意味深なキャスティング?
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監督:クリント・イーストウッド|アメリカ|2018年|116分|
原案:サム・ドルニックによる記事脚本:ニック・シェンク|撮影:イブ・ベランジェ|
記事「The Sinaloa Cartel's 90-Year-Old Drug Mule」
The Sinaloa Cartel'sシナロア・カルテルとは、メキシコ国内最大の犯罪組織、麻薬の製造販売=麻薬カルテル。
出演:アール・ストーン(クリント・イーストウッド)|コリン・ベイツ捜査官(ブラッドリー・クーパー)|主任特別捜査官(ローレンス・フィッシュバーン)|トレビノ捜査官(マイケル・ペーニャ)|元妻メアリー(ダイアン・ウィースト)|ラトン(アンディ・ガルシア)|フリオ(イグナシオ・セリッチオ)|孫娘ジニー(タイッサ・ファーミガ)|娘アイリス(アリソン・イーストウッド、つまり実の娘)|グスタボ(クリフトン・コリンズ・Jr)|ほか



バリー・シール アメリカをはめた男 原題:American Made
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時は1978年、主役はアメリカの大手航空会社TWAの旅客機パイロット、バリー・シール。(トム・クルーズ)
実のところ、バリーは、社員パイロットという、規則ずくめの業務に嫌気が差していた。いや、固い仕事に向かいないのだ。
だからか、気晴らしでキューバ産の禁制葉巻の密輸を少々、小銭稼ぎをしていた。

そんなある日、一人の男がバリーに近づいて来た。
「お前は、民間空中哨戒部隊の首席で、TWAの最年少パイロット、なかなかの才能だ」と言う。バリーのことを仔細に調べ上げて来た様子。
空軍の補助組織)
「退屈だろ、政府のために働け」と言うその男は、シェイファーと名乗るが正体不明。バリーに「CIAだろう」と言わせはするが‥。

さて、ここから始まる「バリー・シール アメリカをはめた男」の波乱万丈の実話の物語。
ここで予告編も観ましょう!
予告編をどうぞ
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=a0JPpuPC33k

バリーはTWAを辞めたことを妻に内緒で、シェイファーの仕事を始めた。その仕事とは‥
最新最高速の双発プロペラ機を与えられ、南米諸国に散在する、とある軍事拠点を低空で飛び、偵察航空写真を撮ること。もちろん地上から銃撃を受けるが、バリーはすばしっこい。
その仕事ぶりはCIAに大いに評価され、バリーはホワイトハウスにも顔を出した。(1984年)

しかし、バリーのパイロットの腕に注目したのはシェイファーだけじゃない。
それは、麻薬・武器を密売するコロンビアの犯罪組織。バリーはこの組織の運び屋をすることになり、唸るほどの札束を手に入れる。
だが、シェイファーはそれについて一切口出ししない、チクりもしない知らぬふり。

しかし、あまりのバリーの行動に、アメリカ司法省の麻薬取締局「DEA」、アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局「ATF」、そして、もちろんFBIに州警察が動き出す。
バリーは銃器、麻薬の密輸、資金洗浄の罪で、ついにアーカンソー州で逮捕される。だが、突然の釈放。なんと知事から州司法長官へダイレクトに、無罪放免の指令が出たからだった。なぜ?

ここに至って、バリーの雇い主は、なんと政府となる。
秘密の空港に大型の軍用輸送機が用意されていた。そして、さすがのバリーもシェイファーからの指示に驚いた。
あとは観てのお楽しみ。

映画の要所要所で、ジョージ・W・ブッシュ、ジミー・カーター、ロナルド・レーガンの当時映像が挿入されますが、それは、彼らが政治外交軍事的に少なからず、バリー・シールの行動に関与していたからなのです。

バリー・シールなる人物とは‥
https://ja.wikipedia.org/wiki/バリー・シール
ウィキペディアのページにある関連項目(コントラ、サンディニスタ民族解放戦線)のことが映画に出てきます。
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監督:ダグ・リーマン|アメリカ|2017年|115分|
脚本:ゲイリー・スピネッリ|撮影:セザール・シャローン|
出演:バリー・シール(トム・クルーズ)|モンティ・シェイファー(ドーナル・グリーソン)|妻ルーシー・シール(サラ・ライト)|ダウニング保安官(ジェシー・プレモンス)|JB(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)|ジュディ・ダウニング(ローラ・カーク)|デイナ・シボタ(ジェイマ・メイズ)|ホルヘ・オチョア(アレハンドロ・エッダ)|ジェームズ・ランゲル(ベニート・マルティネス)|クレイグ・マッコール捜査官(E・ロジャー・ミッチェル)|ルイス・フィンクル(ジェド・リース)|カルロス・レデル(フレディ・ヤテ・エスコバー)|パブロ・エスコバル(マウリシオ・メヒア)|オリヴァー・ノース中佐(ロバート・ファリア)|ほか

【 一夜一話の歩き方 】
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Posted byやまなか