映画「ぐれん隊純情派」 監督:増村保造

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タイトルはヤクザ映画そのものだが、中身は地方巡業の大衆演劇一座のてんやわんやの話。そして群像劇。
早いテンポでサクサクと話は進む。

ヤクザの端くれ3人組、銀之助、松、豊。
負けん気は強いが、東京下町の、大人のヤクザ業界では、うまく立ち回れない負け犬。

銀之助の親父は名の通った旅役者で中村座という一座を率いて、浅草はじめ東京下町の芝居小屋を、そして関東各地を巡業して来た。
だが、その親父が死んで一座は散り散り、そのうえ座の一人が中村座を乗っ取ろうとしている。

そんななか、役者になんか絶対なりたくなかった銀之助に、座長になってもらいたいと注目が集まる。
一方、松と豊。チンピラ以外に取り柄のない二人は追い詰められていた。

ここから映画は堰(せき)を切ったように展開する。
中村座再興を願う者が動き出す。
今は銭湯の風呂焚きをしている、元歌舞伎役者の雁右衛門に演技指導・演出担当を!として白羽の矢が立つ 。
かたや、興行師にアクションをかけ始める。
そして肝心の役者連はというと、松と豊に彼らの女たち、知り合いなど有象無象の、ど素人のやからが集まって来た。

中1

ま、しかし、うまく行くわけがない。
そのうまく行くわけがないが、なんとかなってが、この映画のストーリー。お楽しみに。

「ぐれん隊純情派」同様に、旅役者の映画には、いい映画がある。
今村昌平監督の「盗まれた欲情」は、いわば「ぐれん隊純情派」の大阪版。
小津安二郎 監督の「浮草物語」「浮草」
それから渡辺護監督の「(秘) 湯の町 夜のひとで」もそうかな。

中3

監督:増村保造|1963年|93分|
原作:藤原審爾|脚色:増村保造、小滝光郎|撮影:小林節雄|
出演:銀之助(本郷功次郎)|松(藤巻潤)|豊(千波丈太郎)|雁右衛門(中村鴈治郎)|芝居小屋の女将(ミヤコ蝶々)|ほか多数
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やまなか
Posted byやまなか