映画「やさしい嘘」 監督:ジュリー・ベルトゥチェリ

1メインppst いい映画だ
 母、娘、孫娘、女三世代を題材に、黒海東岸の小国グルジア(現ジョージア)の来た道、進む道を描いた映画です。
 家族を思い合う絆とは、日常ではうとましい。でも細くなって切れそうになった時に、突然なことに遭遇した時に、ガゼン強く太くなる。 

 その国の変化が激しい時、祖母・母・娘という3世代の世代間で、それぞれの価値観は大きく違ってしまう。
 グルジアの伝統性を受け継ぎ、一方今でもスターリンを敬愛する祖母の世代、
 第2次大戦以降からソ連崩壊への過渡期に生まれ、政治の弾圧、建前、取り繕いに翻弄され、それに適合してきた母親世代、
 そしてEUとロシアのハザマの現代を生きる娘世代。
 そんな3人、なかなか気がそろわない。

 おばあさんは、娘のマリーナとは気が合わない、どうしても息子オタール(フランスに出稼ぎ中)と孫娘のアダを可愛がる。
 夫に先立たれたおばあさんはフランス語が堪能。映画には出て来ないが、たぶん、おばあさん夫婦は戦前、フランスに住んでいた。
 その頃はスターリン全盛の時代だから、たぶんフランス駐在官だったんでしょう。エリート層だ。(今も別荘を持っている)帰国後、娘のマリーナと弟のオタールが生まれる、かな。

 そして、娘のマリーナの夫は、アフガニスタンで戦死している。マリーナが言っている‥「戦地に行った夫から音信不通が続いた。占い師に相談したら、生きている、ただ郵便事情が悪いんだろうと。当時、私は占い師の言うことを信じた」
 こんな経験をしたマリーナは、母に嘘をつくことになる。
 しかし、この嘘が発端で、家族3人は家族の絆を強く意識し始め、同時に母、娘、孫娘それぞれは自分の進むべき道を明確に選択し始める。ラストシーンがいい。

予告編です
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=C3E2O1txBPA

 

息子からの電話を待つotars監督:ジュリー・ベルトゥチェリ|2002年|フランス、グルジア(現ジョージア)|
原題:DEPUIS QU'OTAR EST PARTI.../SINCE OTAR LEFT
出演:エステル・ゴランタン/エカおばあさん|ニノ・ホマスリゼ/母マリーナ|ディナーラ・ドルカーロワ /孫娘アダ|テムール・カランダーゼ/テンギズ|ルスダン・ボルクヴァーゼ/ルシコ|サシャ・サリシュヴィリ /アレクシ|ドゥタ・スヒルトラーゼ/ニコ|アブダラ・ムンディ/ベルベル人 ほか

息子オタールからの電話を待つ 三世代tedimage

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グルジア国旗 グルジアの地政学的位置
ソ連とグルジア
1801年 - ロシア帝国、グルジア東部を併合
1873年 - 露土戦争の結果、ロシアに併合
1918年 - グルジア独立宣言(グルジア民主主義共和国)
1922年 - アルメニア、アゼルバイジャンとともにザカフカース・ソビエト連邦社会主義共和国を形成、ソビエト連邦に加盟
1936年 - スターリン憲法により、独立した連邦構成共和国となる
1991年 - ソビエト連邦の解体により独立
2003年 - バラ革命、エドゥアルド・シェワルナゼ大統領が辞任、ニノ・ブルジャナゼ暫定政権発足
外務省公式サイトより



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