映画「完全なる独裁」  監督:ルイス・エストラーダ

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メキシコ映画です。
政治とマスコミの癒着をコミカル風味に風刺しています。
映画は、冒頭にこう言います。
登場人物の名はすべて架空ですが、物語は現実の出来事に基づいています、と。

話は、メキシコのどこかの州の州知事、カルメロ・バルガス総督と、地元のギャングとのいい関係、これを良しとしない民主派議員が、賄賂受け渡しの映像を記録したDVDを、全国放映のテレビ局、テレビ・メキシカーナへ送った事から始まる。
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一方、この問題映像を放映したテレビ・メキシカーナは、ディレクターのカルロス・ロホやインタビュアーら取材班を現地入りさせた。

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ギャングたちによる検問所
写真を撮るディレクター、カルロス・ロホ。事前に知事から話を聞いていたギャングたちは記念撮影を求めた。

さらには、テレビ・メキシカーナは、大統領選に出馬を目論む州知事が、本件のもみ消し工作を、多額の金でテレビ局に依頼したことを受けて、局はディレクターのカルロス・ロホを使って協力し始める。

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ディレクターのカルロス・ロホと知事ほかの会議。州知事の執務室にて。

そして映画は、この最中に起きた双子の幼児誘拐事件を絡めて、これを、州知事の挽回工作ネタに利用する知事とテレビ局を描きます。
あとは観てのお楽しみ。

予告編をご覧ください。
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=Qox7XGR8zHo

予告編冒頭の映像は、アホなメキシコ大統領と、アメリカ政府との奇妙な会見の様子です。

総じて、なかなか面白い映画です。いい脚本です。
テレビだけでなく、ネット拡散と抗議デモ、かたや誘拐犯について、また子を誘拐された両親についての週刊誌的報道も描いています。
そして、テレビ局にDVDを送った民主派議員のその後も忘れず描きます。

ちなみに、政治(アメリカ大統領)と巨大IT企業の癒着や、視聴率最優先のテレビを風刺する映画「ドント・ルック・アップ」(2021)も面白い映画でした。

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テレビ局に出向いた州知事

原題:La dictadura perfecta/The Perfect Dictatorship
監督:ルイス・エストラーダ|メキシコ|2014年|143分|
脚本:ルイス・エストラーダ、ハイメ・サンピエトロ|
出演:州知事(ダミアン・アルカザール)|プロデューサーのカルロス・ロホ(アルフォンソ・ヘレラ)|テレビ局のお偉方(トニー・ダルトン)|民主派議員(アグスティン・モラレス)|アホなメキシコ大統領(セルジオ・メイヤー)|誘拐された双子の母親(シルビア・ナバロ)|ほか多数

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やまなか
Posted byやまなか