映画「さよなら、ベルリン またはファビアンの選択について」(ドイツ2021) 監督:ドミニク・グラフ

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時は1931年、ベルリン。
当時、世には、続く経済不況や政治やらの混乱があった、そういう雰囲気の中にあって、人の心は、時の同時代性によって作られるのだろうか。

そんな最中(さなか)、なすすべ無く時代に流される人、一方ヒトラーのように時代をつくる人がいて、そしていずれに対しても距離を置いて、確信的に流れに浮かぶ人……

その流れに浮かぶ人が本作の主人公、作家志望の青年ファビアン。
映画は、このファビアンと、映画女優志望のコルネリアとの恋物語、そしてファビアンの親友で大金持ちの息子ラブーデとの交流を軸に描かれる。

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さらに、この三人に加えて、キャバレーや薄暗い酒場に集う怪しい人々を中心にベルリンの夜の享楽と喧噪が描かれ、くわえてラブーデの出身大学恩師教授への論文提出に始まるラブーデの運命、コルネリアの女優への輝かしい道のり、そして静かに進むナチスの影などが絡んでいく。
また、1931年のベルリンの街のモノクロ映像が要所要所で挿入され、当時の息吹を引き入れる。

ちなみに原作は、ドイツの児童文学作家エーリッヒ・ケストナーが1931年に発表した大人向け長編小説「ファビアン あるモラリストの物語」
予告編をご覧ください。
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=Ya2DWM8pObc


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原題:Fabian oder Der Gang vor die Hunde|Fabian: Going to the Dogs
監督:ドミニク・グラフ|ドイツ|2021年|178分|
公式サイトhttps://moviola.jp/fabian/
原作:エーリッヒ・ケストナー|脚本:コンスタンティン・リープ、ドミニク・グラフ|撮影:ハンノ・レンツ|
出演:ファビアン(トム・シリング)|コルネリア(ザスキア・ローゼンダール)|ラブーデ(アルブレヒト・シューフ)|イレーネ・モル(メレット・ベッカー)|ファビアンの母(ペトラ・カルクチュケ)|ラブーデの父(ミヒャエル・ヴィッテンボルン)|ほか多数

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Posted byやまなか