映画「人も歩けば」  監督:川島雄三

上

川島雄三が監督の喜劇映画。
昭和35年の頃の話。4年後が東京オリンピック。
話の舞台は、東京の、華やかな銀座の路地裏、新橋(烏森)界隈、東京湾のどこか海際(埋め立て前)。

キャバレーの店でジャズバンドのドラマーをしている、主人公、砂川桂馬(フランキー堺)
金の算段で、商売道具のシンバルを、銀座の路地裏にある質屋に持ち込むあたりから話は始まる。
質屋「成金屋」の常連客の桂馬は、名の通り将棋の腕がいい。
質屋のあるじも将棋好き、これが縁で桂馬は質屋に婿入り。(上の画像)

ところが質屋の切り盛りなんてのは、桂馬の持てる才能外の仕事でした、つまりまるで不向き。
で、妻、姑(沢村貞子)に冷たくされる。言い忘れたが、おまけに質屋の主(舅)は結婚式の当日夜にポックリ行っちまった。

さて、話の前段はこのくらいにして、この先、展開する物語の題材は、目白押し。
つまり、多くの俳優が登場します。

桂馬は家を追い出されて化粧品セールスマンになり、新橋の飲み屋「すみれ」の女将(淡路恵子)が密かに桂馬に片思い。
この飲み屋の常連客で、烏森にある銭湯「八卦湯」のあるじは、手相占いが趣味。
桂馬の手相は、近く、大金が転がり込む!と出た。

中1

そんなある日、アメリカにいる桂馬の伯父の遺産9000万円が桂馬に転がり込む、という話を、遺産管理人のアメリカ人ビジネスマン(ロイ・ジェームス)が携えて、質屋を訪ねてきた。
これを聞き及んで、桂馬を追い出した妻と姑は‥‥。
しかし桂馬は何も知らず、行く宛もてなく、懐さびしく、海際に建つ簡易宿泊所に泊まっていた。

登場人物は、まだまだいる。エピソードも満載。
これまた、桂馬を密かに想う、質屋の親戚の娘、清子(小林千登勢)は、影になり日向になり桂馬を助ける。
質屋の質流れを買い取る古道具屋の木下(桂小金治)は、家を出た桂馬の後釜になろうと画策する。
桂馬の妻と姑は、私立探偵を雇い桂馬の動向を探る。
さあ、あとは観てのお楽しみ。


監督・脚色:川島雄三|1960年|99分|
原作:梅崎春生|撮影:岡崎宏三|
出演:砂川桂馬(フランキー堺)|質屋のあるじ成金義平(沢村いき雄)|その妻、成金キン(沢村貞子)|桂馬の妻の成金富子(横山道代)|成金家の親戚の娘の成金清子(小林千登勢)|古道具屋の木下藤兵衛(桂小金治)|その雇人で大きなおにぎり好きなナミ子(春川ますみ)|銭湯「八卦湯」のあるじ日高泥竜子(森川信)|飲み屋すみれの女将、佐倉すみれ(淡路恵子)|簡易宿泊所のあるじ並木浪五郎(加東大介)|桂馬と簡易宿泊所で知り合ったやさぐれ板割鉄太郎(三遊亭小円馬)|宿泊所で働く可愛い鈴ちゃん(奥村恵津子)|桂馬の姑が放った私立探偵の金田一小五郎(藤木悠)|宿泊所に住む金なし学生でドタバタ役の岸公助(立岡光)|遺産の管理人のアメリカ人バブ近藤(ロイ・ジェームス)|ドタバタ三人組‥‥ゴジラの八:八波むと志、ラドンの松:南利明、アンギラスの熊:由利徹|私立探偵を追うギラギラの南小路寛子(若水ヤエ子)|街頭の女占い師(武智豊子)|ほか多数

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Posted byやまなか