映画「マザーレス・ブルックリン」(米2019) 監督:エドワード・ノートン

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幾多のエピソードを巧みに編み込んだ脚本を書いた、俳優のエドワード・ノートンが、監督・主演。

時は、1950年代のニューヨーク、ブルックリン。
私立探偵事務所の一員、ライオネル・エスログという男が、この物語の主人公。(エドワード・ノートン)

ライオネルには持病がある、それはチック症。本人の意思に関係なく、突然、あらぬ言葉を発してしまう精神疾患。でも彼は、一度聞いた事に対して抜群の記憶力を持つ。
このライオネル含め、探偵事務所の4人の探偵は、みな同じ孤児院の出身。なぜなら、事務所のボス、フランクが彼らを引き取って育て、探偵に仕立てて来たのです。

中2

ところが、フランクが追っていた案件に彼自身が巻き込まれて、フランクは殺された。何か重大な相手の弱みをフランクが握っていたのか?

そこで事件究明に立ち上がったのが、フランクに一番信頼されていたライオネルだった。
以上が物語のお膳立て。
そして、この物語の構造はこうです。

貧困層が住む地域を狙って都市開発を進める、1950年代のニューヨーク市の行政。
市が安値で土地を買い取れるように、事前に住民を追い払い、廃墟に近い状態にして不動産価値を下げようとする暗躍。加えて、その土地を巡って、行政幹部と建設業界の癒着の闇。
一方、この状況に反対する市民運動。その中で活発に活動するローラ・ローズという女性がいた。

そして、行政が市民・住民に対して実施する、形ばかりを取り繕った都市開発の説明会。
ここで映画は、モーゼス・ランドルフとポール・ランドルフの兄弟を登場させる。
説明会の壇上に座るモーゼスは市側の重要人物で、都市開発プロジェクトの大黒柱。兄のポールは、貧相な身なりで住民側の席にいて行政批判をする。

会場にいたライオネルは、このポールから多くのウラ情報をもらった。
だが、この兄弟、立場を超えて何やら陰でやり取りがあり、またその核心には兄弟の確執がある。
そして兄ポールだけが知るモーゼスのアキレス腱、それは何?

中3

ついで、前述したローラ・ローズ。
ライオネルは事件究明中に彼女に出会った。

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そんななか、今度はライオネルが何者かに襲撃を受けた。暗躍する行政幹部に雇われたヤクザだろう。
やがて、物語は、このローラ・ローズの出生の秘密に収斂していくようなのです。
あとは観てのお楽しみ。

予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=m0Z1TkFyWI4

映画冒頭10分間の映像
ライオネルとフランクの人物像がわかる
予告編 決め
https://www.youtube.com/watch?v=QmPuV6tzg-k


原題:Motherless Brooklyn
監督・脚本・製作・主演:エドワード・ノートン|アメリカ|2019年|144分|
原作:ジョナサン・レセム|撮影:ディック・ポープ|
出演:ライオネル・エスログ(エドワード・ノートン) |フランク・ミナ(ブルース・ウィリス)|ローラ・ローズ(ググ・バサ=ロー)|モーゼス・ランドルフ(アレック・ボールドウィン) |ポール・ランドルフ(ウィレム・デフォー)|ほか多数

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やまなか
Posted byやまなか