映画「ガンパウダー・ミルクシェイク」（仏・独・米2021） 監督：ナボット・パプシャド

圧倒的に凄い女性たちが主役のバイオレンス・アクション。
ですが、ファンタスティックな映像が案外、売り。
劇画っぽいシーンもあります。

物語の設定要素は、４つ。
それは、犯罪組織からの発注で、あと始末業務を専門に請け負い、高級高層ビルに事務所を構える会社（ザ・ファーム）と、会社の指示で動くプロの殺し屋女性、そして殺し屋女性を陰で支援する謎の図書館。

その上で映画は、ザ・ファームで働くプロの凄腕殺し屋サム（カレン・ギラン）と、かつて、ザ・ファームで同じ仕事をしていたサムの母親、名うてのスカーレット（レナ・ヘディ）を登場させる。

さて、お話は‥‥
ある日サムは、仕事の中で、クライアント（犯罪組織）のボスの息子を誤って射殺してしまう。
これはミスでは済まされない。サムはザ・ファームから命を狙われ始めた。（映画はここら辺から始まる）

そして過去（15年前）、母親スカーレットはある仕事の中で、クライアント（犯罪組織）のボスの父親を殺してしまって、娘サムの今と同じ状況に陥ったのです。
だから、母子家庭だった母親スカーレットは娘サムを、謎の図書館に置き去りにして、街から姿を消したのでした。

しかしなぜ、母娘して、そんなヘマを‥‥それ言っちゃだが、彼女らの仕事は観ての通り、1対大勢の、短時間のあっという間の銃撃戦なのですよ。

で映画は、サムの少女時代の孤独だった思いを、犯罪組織に人質となった少女エミリーに重ねるのです。なぜならエミリーは孤児だったからなのでした。

さて、あとは観てのお楽しみ。

https://www.youtube.com/watch?v=KL0TeQYqn0s

ちなみに、この映画を取り上げた一番のわけは、映画の初めの方で、当時12歳のサムと、サムの前から姿を消そうとする母親が、安食堂を出て、車に乗り込むシーンで流れる音楽が、カレン・ダルトン歌う「Something On Your Mind」だから。いいサウンドです。
映画「スウィート・シング」(米2020)、「マーゴット・ウェディング」（米2007）でも採用されてました。
ついでに、「ネクスト・ドリーム　ふたりで叶える夢」（米2020）では、主人公と彼氏が車の中で聴く音楽が、ザ・バンドの「The Weight」。
1970年ころの音楽が最近、こうして突然、映画に現れるのです。

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原題：Gunpowder Milkshake
監督：ナボット・パプシャド｜フランス・ドイツ・アメリカ｜2021年｜114分｜
脚本：ナボット・パプシャド、エフード・ラフスキ｜撮影：マイケル・セレシン｜
出演：サム（カレン・ギラン）｜サムの母親スカーレット（レナ・ヘディ）｜少女エミリー（クロエ・コールマン）｜マデリン（カーラ・グギーノ）｜アナ・メイ（アンジェラ・バセット）｜フローレンス（ミシェル・ヨー）｜ザ・ファームのボスのネイサン（ポール・ジアマッティ）｜サムの少女時代12歳（フレイヤ・アーラン）｜ほか

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