映画 「UFO少年アブドラジャン」 監督:ズリフィカール・ムサコフ
2011年04月01日 公開

UFO・・・・・という題名から何かしらを期待すると、肩透かしを食らう映画です。
SFというより、クワにまたがって空を飛ぶなど、学芸会的なお伽話事件を通して、実のところソ連時代の集団農場コルホーズで働く農民をコミカルに描く映画です。時に農民自身を素朴に嘲笑する映画でもある。
でも、まあ、日本の観客を考えると、西欧的な田舎の素朴さが好きで、さらには子供ファンタジーの薫りに、どこか憧れを感じる向きも、楽しめそうです。(→)
この映画のもうひとつの側面は、ソ連官僚批判。
ネジが1本外れた高官から発せられるUFO対策と指示が、軍隊→その地方分隊へ、中央行政→村長へ。下部へ行くほど、言われたことをするだけの超・受身的行動様式。そしてその指揮命令と事実との馬鹿げたギャップ。ソ連時代の批判であろう。(ウズベキスタンはソビエト連邦より1991年に独立、翌年この映画を製作している)
ウズベキスタン(下に地図)の、それもソ連時代の僻地の村の生活、素朴でスローライフ、みんなが好きなテイストが味わえ、かつソ連コルホーズの当時の実態も分かります。
少年の魔法(異星の科学技術)で巨大な作物が実る、ニワトリが卵を産むようにたくさんの子牛が生まれすぐに成長する。あれは豊作への期待だね。
題名に注目→「ABDULLADZHAN,OR DEVOTED TO STEVEN SPIELBERG」

原題:ABDULLADZHAN,OR DEVOTED TO STEVEN SPIELBERG|ABDULLADZHAN, ILI POSVYASCHAYESTYA STIVENU SPILBERGU
出演:ラジャブ・アダシェフ(バザルバイ)|トゥイチ・アリポフ(議長)|トゥチ・ユスポワ(ホリーダ)|シュフラト・カユモフ(アブドラジャン)|ウラジーミル・メニショフ(ナフロブチコ将軍)|ほか


ウズベキスタン共和国
ソビエト連邦より1991年9月1日 独立
国民:2001年に2515万人。ウズベク人が80%、5.5%のロシア人のほか、タジク人(5%)、カザフ人(3%)、カラカルパク人(2.5%)などの多くの少数民族が住む。
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