映画 「夏至」 監督:トラン・アン・ユン
2011年04月11日 公開

観た方は多いと思いますが、こんな時期、安らぐ気分をいただける映画です。
ベトナム三人姉妹の3人3様、いや、3人6様の恋物語。恋愛エピソードを6様も詰め込んで、ちょっと・・・と言えなくもないが、でも、良い映画。
何しろストーリーの背景がゆったりで、そこから安らぐ気分をいただける。まずは、この辺から・・・。
■映像の色調
グリーンを基調に、イエロー、そしてここぞ!というポイントに赤。あわせて、ダークブルーかパープルが彩りを支える映像美。充分にカラーコーディネートされている。目が楽しめる、目から安らぎを得れる。
■そしてベトナムの時間・気候風土・生活観に憧れ?
ゆったり流れる・・時。せかされる、という単語がない・・話。 ゆったりだから、いろんなことが見えてくる、感じ取れる。そうだから味わえる・・豊かさの実感。
窓からの風、香り・・・室内と屋外の、とぎれない空間連続性、屋内グリーンにカマキリといった自然と日常の重なり。(昔は当たり前だった)
水と人が近しい距離にある潤い感・・・これは全編通じて感じられる。水を汲む、汲んだ水で料理する、髪を洗う、その水が、我々の生活よりにずーっと身近。素肌に水の流れを感じている。
熱帯だから、スコールに濡れることもそんなに嫌がらない。


最後に重要なこと。あくせくしない経済生活、ああ!いいね~。(カフェ経営、小説家、写真家、俳優、学生・・・)
そう、おとぎ話 なんです、この映画。
■そんな舞台で展開される6様の愛のあり方教室!
とりわけ、兄ハイと三女リエンの同居生活が主旋律です。

今、観かえしてみると、画面内のデザイン構成を作り込み過ぎてるのが感じられて、少々うるさくもある。が、そんな屋内の場面で、三女のリエン(トラン・ヌー・イエン・ケー)が、ゆるく踊るシーンがきれいで・・・・・ああ・・細々したことは許せてしまった。
最後に。あなたの部屋に白い壁があれば、この映画を投影して、インテリアにするという利用法もある映画。

原題:The Vertical Ray of the Sun
出演:長女スオン(グエン・ニュー・クイン)|次女カイン(レ・カイン)|長男ハイ(ゴー・クアン・ハイ)|三女リエン(トラン・ヌー・イエン・ケー)|長女スオンの夫クオック写真家(アンクル・フン)|次女カインの夫キエン小説家(チャン・マイン・クオン)|




トラン・アン・ユン監督の映画です。
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