映画「小便小僧の恋物語」 監督:フランク・ヴァン・パッセル
2011年05月23日 公開

ふたりの淡い愛、その輝きと運命の悪戯が、喜びと哀しみの境を行き来する映画です。
12歳で家族全員を失ったハリー30歳が、ベルギーの首都ブリュッセルの街に来た。30歳なのに、まだティーンエッジのように幼い。トラウマが彼の精神構造に大きく影を落としている。
市電の運転手、ジャンヌは独身一人住まい。そのアパートの最上階の部屋にハリーが転がり込んできた。ふたりは引かれ合うが、ハリーの幼さとトラウマが邪魔して、話は進まない。そのうち、ジャンヌは持病を持っていることが分かってきて・・・・・。
30歳のハリー、その臆病さの演出は「悲しみのミルク」の主人公女性に近いおおげささ。いささか興ざめ。そしてジャンヌの死、もうすこしうまい表現を脚本に求めたい。
ところで、ふたりが住んでいるアパートの大家、太っちょおばさん。
アパートの住人を窓越しにのぞく。また若くして戦死した亡夫を今も忘れられず、日々の生活に影響を及ぼしている、そんなおばさん。・・・・で、
ここで思い浮かびませんか? 映画「アメリ」(2001年)の登場人物を。アパートの住人を窓越しにのぞく趣味の老画家。若くして戦死した亡夫を今も忘れられず悲しむ、1階にに住むロシア人おばさん。ひょっとして・・・「アメリ」の監督は、この映画からパクッたか?パクッてる。
ああ、そうだ! この映画でした。(思い出せず、便秘気味でしたが・・・すっきり!)
「海炭市叙景」そして、市電で遊ぶ映画「幻影は市電に乗って旅をする」「マルコム爆笑科学少年」のブログを書いている時に・・・・・、車庫とか出てくる市電の映画で・・、もう1本あったな・・・、と当時、頭の隅をかすかによぎったが、思い浮かばずそれっきりになっていた。

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原題:Manneken Pis
出演:フランク・ヴェルクライセン(ハリー)|アンチュ・ドゥ・ブック(ジャンヌ)|アン・ペーテルセン(2人が住むアパートの管理人おばさん:ドウニーズ)|ヴィム・オプブルック(ハリーの職場仲間:ベルト)|スタニー・クレッツ(同:デジレ)
↑ ラストシーン。ハリー1人を乗せ市電は、無人で発車し始めた。




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