映画「バッファロー'66」 監督:ヴィンセント・ギャロ
2011年05月03日 公開

いい映画。
こういう映画に遭遇すると、ああ映画観ていて良かったな、と思わせてくれて嬉しい。
目だったコミカルさは、まったくないですが、これは喜劇映画ですよ。くれぐれも、重~い辛~い映画!と勘違いしないでね。
すぐカッと激高する父親、アメフトに異常に熱中する母親、このふたりの悪いところを受け継いだ一人息子ビリー。小さい頃から臆病で気が小さい、ガールフレンドのひとりも作れず成人。街の与太風に振舞うことを覚えたビリーは、アメフト試合に大金を賭けるが負ける。街の元締めに呼ばれ、他人の罪(刑期5年)を肩代わりすれば許すと言われ、言われるまま人知れず刑務所へ。そして出所。
映画はここから始まる。刑務所5年の間、親へ手紙を書いて取り繕っていた嘘を・・・ 出所すると同時に実現しなければならないことに直面するビリー。(実はそこまで頭が回っていなかった) で、すれ違いざまにレイラを誘拐し、強制的に妻に仕立てて2人で実家に乗り込む・・・。 が、玄関で萎えてしまうビリー。本能的にそれを支えるレイラ。ふたりの、この後の展開を暗示させるシーン。両親に、レイラに、強がりばかり言うビリー。父親はビリーと目さえ合わさないし、すぐ激高する。おお!父親はビリーそっくり! (レイラと共に観客は笑える)
さて、ビリーは実のところどんな男なの・・レイラは少しずつ興味を抱き始める。
どんな男かってことは、下の写真を見れば一目瞭然で・・・・。ガラス細工みたいな男に引かれる女もいたりする。

要するにたいした物語性はないと言っていいくらいだが、観客を最後までスクリーンに釘付けにするこの映画力はすごい。監督は、脚本・音楽・主演とマルチに才能全開。かっこいい。
さてさて肝心の話の展開は、その後一体どういう結末になるのやら!?(笑・・・大丈夫)


出演:ヴィンセント・ギャロ(Billy Brown)|クリスティーナ・リッチ(Layla)|アンジェリカ・ヒューストン(ビリーの母Janet Brown)|ベン・ギャザラ(ビリーの父Jimmy Brown)|ケヴィン・コーリガン(Goon) ほか



負けを返すには他人の罪を肩代わりするしか・・ 誘拐された直後の目線・・・実家で「良き妻」を演技するレイラ


ボーリングだけが彼のアイデンティティ それを一投で打ち壊すレイラ!



風呂は一人で入りたいビリー でも・・・


あの選手を殺す!とビリー 死んだビリーの墓参りする両親、母親はアメフト試合をラジオで聞いてわめいている!!
特集:刑務所は出たけれどの物語
「刑務所は出たけれど」という切り口で、映画を集めました。
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