映画「街の灯」 監督:森崎東
2011年06月15日 公開

駄作です。観ないほうがいい。
練れてない演技演出どうしようもない。コメディなんですが、ちっとも笑えない。エピソードを荒っぽく切り貼りしただけで、話の展開はゴタゴタ、かつ安っぽい。笠智衆、フランキー堺、三木のり平、財津一郎、田中邦衛、森繁久弥と大御所がちょい役で登場するが、みんな気を入れた演技をしてない。栗田ひろみの映画ということでカルトになっているらしいが、私には関係ない。昨年、映画館・ラピュタ阿佐ヶ谷で観て、上映中からアリャと思いながらも最後までガマンして観た映画。十中八九、駄作と思う。でも・・・。
今泉力哉監督の「最低」2009年を観た。ダメな男女のダメなラブストーリー。か細い触覚を神経質に動かしながら、まわりに繊細な配慮をし合う気弱な登場人物たち。なんと、線が細~い映画なんだろう! 私には受け入れられなかった。
それに比べて、この「街の灯」の 線の太さ。 登場人物はみな、相手のことなんか気にせずぶつかり合う。輪郭がにじんで太く見えるって感じかな。この線の太さが最近、妙に気になりだした。1974年、時代が太かったのかな・・・。そして、何か勢いがある。どこから来る勢いなんだろうか。東京から九州・有明海までのロードムービーな話なので、映画の中に当時の各地の風景が織り込まれている。それは観光的な風景ではなくて、道路、ダンプカー、空き地草地、ゴタゴタの街、埋立地など。たぶん、1974年の日本が持っていたものが、今から見返すと「勢い」に見えるのだろう。
そんな土台の上に、あえて手を入れない演出、俳優は地で行け、決して重くしない軽い乗り、成り行きに任せる的進行で、出来上がった映画。そばで見ていて危なっかしく思えるくらいに、システム的でない気まま、自由な製作。観客の顔色なんか気にしない。そんな感じがします。今じゃ決してできない映画の味を楽しみましょうか。
監督:森崎東|1974年|91分|
出演:堺正章(チョロ松)|栗田ひろみ(テレビタレントに似た謎の女子)|笠智衆(ブラジル帰りの老人)|研ナオコ|吉田日出子(辛うじて飲み屋のようなものの女将 竹子 その狭い2階に住む貧乏な堺と財津)|高沢順子|フランキー堺|三木のり平|財津一郎(チョロ松の兄貴分・梅吉)|田中邦衛|森繁久弥|



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